超厚膜型の塗膜は防食の耐用年数に大きく影響する。塗膜の厚みと劣化の関係を解説

腐食環境がある設備では、鋼材が錆びてしまう、あるいはコンクリートが劣化してしまうといった状況を防ぐために、塗装やライニングといった、樹脂による防食をすることが一般的です。

しかし塗装はしてあるが、想定していた塗装の耐用年数より早く、腐食の進行が確認できるケースも多くあります。

ここでは、樹脂で防食を行う際の、塗膜の厚みと耐用年数の関係について、塗膜の厚みがあればあるほど耐久性が向上し、耐用年数も長くなることについて詳しく解説していきます。

弊社のRSJ#100は、無溶剤型エポキシ樹脂の材料であり、塗装と違い、1度の塗布で1mm・2mmといった超厚膜での塗布が可能なライニング材料となっております。

さらに材料内に無機セラミックを配合させ、特殊な防食機能を付与させることにより、腐食環境の高水準な遮断性を実現しています。

是非、参考にしてください。

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塗膜が劣化していく過程

樹脂で防食されている鋼が、腐食の環境にあるとき、塗膜が劣化する過程は、おおよそ次のように進行されます。

  1. 腐食要因物質が塗膜再表面より塗膜内へ浸透(透過)し、やがて塗膜と鋼の境界面へ到達します。
  2. 腐食要因物質の浸透(透過)による、塗膜と鋼の境界面から鋼表面の腐食反応が始まります。
  3. 腐食反応によって、塗膜の密着力が低下し、塗膜が押し上げられることにより、膨れや割れといった塗膜破壊と、鋼表面に錆が発生します。
  4. 塗膜破壊と錆が発生した後、この腐蝕現象は拡大していきます。

塗膜と耐用年数との関係と厚膜にするメリット

塗膜の寿命は、腐食要因物質が塗膜に浸透(透過)し、鋼表面に到達するまでの時間(塗膜厚の2乗に比例)と、腐蝕要因物質が鋼表面に到達してから、塗膜の密着低下による塗膜破壊が生じるまでの時間を加えた期間を、耐用年数として表しています。

ここで注目したいのは、腐蝕要因物質が浸透(透過)してから、鋼表面に到達するまでの時間は、塗膜の厚みの2乗に比例するという事と、鋼表面に到達するまでの時間を、限りなく遅延ができれば、塗膜破壊に至らないということです。

膜厚が倍になれば、腐食要因物質が鋼表面に到達する時間は4倍となり、逆に膜厚が半分になれば、鋼表面に到達する時間は1/4になってしまいます。

もちろん塗膜劣化の現象は、腐蝕要因物質の浸透(透過)だけではないですが、塗膜を厚くすることは、耐用年数に大きく影響し、防食性能を向上させることがわかります。

超厚膜で防食するならライニング材料

塗装は薄膜の層を何回も塗り重ね、せいぜい厚膜にしても100µ~300µ程度ですが、ライニングは1回で1mm以上、あるいは2mm・3mmの厚膜を付けることができます。

塗膜の厚さは塗装に対して約10倍とまります。

「腐蝕要因物質が鋼表面に到達する時間は膜厚の2乗に比例する」を参考に比較すると、その差が大きいことがわかります。

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塗膜を厚膜にするデメリット

  1. 厚膜にする事により塗膜が硬化する際の硬化収縮など、塗膜内のストレス(塗膜内応力)が大きくなるリスクがあります。このような塗膜内のストレスを緩和(分散)させる機能を有している、あるいは工夫された仕様になっているかの判断が必要です。
  2. 厚膜に塗布するという事は、粘度も高く塗りにくいので施工がむずかしい。
  3. 厚膜にすることにより塗料の使用量も増えるため、コストがかかる。

超厚膜の塗膜の中に無機セラミックを配合するメリット

厚膜にすればするほど防食性能が向上しますが、この超厚膜の塗膜に無機セラミックやフレークなどを配合させることで、塗膜にさらなる腐食要因物質の浸透(透過)を抑制できる機能を付与することができます。

それと同時に、無機セラミックを配合することにより、硬化収縮による内部応力を分散することができ、超厚膜にした場合のデメリットの部分をカバーすることができます。

また、耐摩耗性と、耐熱性の向上もするので、よりハイグレードになるといえます。

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超厚膜型無機セラミック配合のRSJ#100エポキシライニング材

弊社のRSJ#100は、超厚膜型に塗布ができ、無機セラミックを大量に配合したライニング材料です。

ハケ・ローラー塗りタイプで1回塗り1mm程度の膜厚、コテ塗りタイプで1回塗り2mm・3mmの超厚膜のライニング塗膜を塗りこむことができます。

大きな範囲を行う場合は、ライニング業者に任せることをお勧めしますが、部分補修であれば比較的簡易に作業が可能です。

RSJ#100エポキシライニング、その他の特長と優位性

1:耐薬品性

塩酸15%ガソリン
塩酸10%灯油
硝酸10%重油
硝酸5%石油エーテル
硫酸60%トルエン
硫酸40%キシレン
硫化水素ナフサ
アンモニア 水40%硝酸塩
亜硫酸ベンゼン×
苛性ソーダアセトン×
1年間浸漬試験の参考耐蝕表

RSJ#100は優れた薬品耐性があります。

2:水中硬化性

まとめ

想定していたより早い段階での腐食や劣化は、現状の防食仕様では、耐久性不足であるから起こる現象です。

例えば、塩害の耐性を考慮した塗装仕様であっても、腐食要因がその他に存在していれば、塗膜の劣化は想定外のスピードで進行していきます。

想定外の腐蝕要因がある部分については、ある程度どんな悪状況があったとしても、高い環境遮断性のある材料で部分補修するといった対応が大事になってきます。

超厚膜に塗布することは、防食性・耐久性・耐用年数にたいして、良い影響があります。

RSJ#100のような、超厚膜型の特殊材料を常に常備しておけば、ちょっとした部分補修なら業者に頼ることなく作業が可能です。

大規模な修繕工事になってしまうと、見積や工事計画、稟議といったことに時間がかかり、その間も腐食は加速度的に進行していきます。

補修材として持っておくと便利なので、参考にしてみてください。

弊社には、その他にも様々な防食機能がある材料があります。

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