不飽和ポリエステル樹脂であるライニング材料RS#200は、優れた耐酸性を有しているとともに、硬くてもろいという基本物性を、軟質に調整する事によってその弱点を改善しています。
ゴムライニングやポリウレアといった伸縮性に特化した材料とは違い、基本的には硬いハードコーティングに分類されますが、硬くなりすぎない程度に調整されたRS#200は、耐酸性のライニング塗膜にとって、その硬さは最適といえます。
その最適な硬さに調整されたRS#200を中間層として使い、幅広い薬品耐性を有するビニルエステル樹脂(RS#300)を上に塗る多重防蝕仕様もあります。
ここでは、樹脂ライニング材である、軟質不飽和ポリエステルRS#200の魅力について解説していきます。
ぜひ参考にしてください。


RS#200軟質不飽和ポリエステルライニング材料の特長
- ラジカル重合反応による硬化は、促進剤や硬化剤の量で調整でき、乾燥が遅くなる冬季の施工に優位に働きます。
- ガラス繊維といった補強材を組み合わせることにより、引っ張り強さ・曲げ強さ・耐衝撃性といった、繊維強化プラスチックを、手軽に作れるといった利点があります。
- ガラス繊維を補強材にする代わりに、ガラスフレークを塗膜内に配列させることにより、薬液透過を防止する、フレークライニング仕様にすることができます。それによってガラス繊維を積層する手間を省略することができます。

RS#200ライニングの施工上の注意点

- 主剤と硬化剤の2液で構成され、硬化剤の使用料は主剤に対してせいぜい1%といったもので、正確に計量するには相当な注意を要します。
- 空気中の酸素が硬化を妨げる為、表面にベタツキが残る場合があります。樹脂の中に流動パラフィンのような油分を混入させ、樹脂の表面を覆うようになっているから解決できるが、重ね塗りする場合は密着に影響があるため、研磨するなどして除去する必要があります。
- 不飽和ポリエステルの硬化は発熱反応です。爆発や火災などの危険もある為、火気には十分に気を付ける必要があります。
- 不飽和ポリエステルの硬化収縮は大きいので、樹脂のみの単純塗布、あるいはFRP施工時に、ガラス繊維の補強材にしみ込ませますが、過度に塗布すると、残留応力によるクラックが入りやすいので注意が必要です。
- 水・タール・アミン(エポキシ樹脂の硬化剤)・酸素は不飽和ポリエステルの硬化を阻害します。
まとめ
RS#200はガラス繊維を積層させ、強化プラスチックを構成するFRPライニングとして、あるいは塗料にガラスフレークを混入させ、塗膜に配列させることにより、フレークライニングとして使えるといった2通りの使い方ができ、ビニルエステル樹脂(RS#300)との組み合わせで使用すれば、多重防蝕となり、より高い水準の環境遮断性が可能になります。
弊社には薬品耐性と水中硬化性などの作業性の良さや、安全性などトータル的にバランスの取れたRSJ#100エポキシライニングがありますが、低温での硬化速度がどうしても遅くなります。RS#200には冬季の施工での硬化性に優れるといった利点があります。
ただし、使用上の注意点は多く、特にFRPライニングは脱泡作業も加わり、施工には知識と経験が必要です。
弊社は施工のご相談も受け賜ります。RS#200の詳細やご質問等ありましたら、お気軽にお問合せお願い致します。