防蝕ライニング材料に着色したくない理由と塗料の鮮度について解説、RSテックのこだわり

ライニング材料には高度な環境遮断性が求められます。これは、通常の塗装よりも厳しい基準をクリアする必要があるためです。この分野で最も重要なのは、樹脂の機能と物性です。樹脂はライニング材料の核となる成分で、環境からの保護、耐久性、そして特に防蝕性を実現するために不可欠です。したがって、製造過程においては、樹脂が持つべき特性に細心の注意を払う必要があります。

防蝕ライニング材料は、その環境遮断性能によって選ばれるため、私たちは樹脂の機能と物性に最大限の注意を払います。このため、着色を限定することで、材料の本質的な品質と性能を保持しています。

また当社では、「塗料は生物(なまもの)」という考えに基づいています。それは、塗料の鮮度が最終製品の品質に直結するという信念です。在庫を持たず、受注が入るたびに新鮮な材料を使用することで、お客様には常に最高の製品をお届けしています。

当社の防蝕ライニング材料への深いこだわりをご理解いただくことで、お客様により満足していただけると信じています。是非、この情報を参考にしてください。

防蝕ライニング材料に着色は必要か?

「防蝕に特化した塗料では、機能性を優先して着色顔料の使用を極力抑え、色の選択を限定することが極めて重要です。」

顔料にはクロム(緑色)や鉛(赤色)などの有害物質が含まれていることがあり、これらは防蝕性能にメリットをもたらさないため、できる限り使用を避けています。私たちは、安全性が確認された顔料のみを最小限に使用し、品質と環境保護の両立を図っています。これにより、ライニング材料の色は限定されますが、これは弊社の品質へのこだわりを表しています。

当社のライニング材料であるRSJ#100エポキシ樹脂材料は、基本色に弁柄色を採用しています。お客様のご要望に応じて着色することも可能ですが、基本色の使用を推奨しております。

鮮やかな色の塗料であっても、時間が経つと剥がれ落ちて廃棄物となり、最終的には埋め立てや焼却によって処理されます。環境問題において、小さなことでも積み重なれば大きな影響を及ぼすということです。

RSJ#100の基本色が弁柄色の理由

防蝕ライニング材料であるRSJ#100の基本色が弁柄色である理由は、その耐食性や耐久性に重点を置いた機能性重視の設計にあります。RSJ#100は、通常の塗装とは異なり、環境遮断性の高い水準が求められるため、美観よりも機能性を優先しています。このため、弁柄色が選ばれています。

さらに、着色顔料の種類や添加剤の配合は、耐食性の維持と安全性を確保する上で重要です。この選択により、RSJ#100は環境に対する抵抗力を高め、長期にわたる耐久性を提供することができます。その結果、塗料の色は限定されるものの、高い品質と安全性が保証されることになります。

1.RSJ#100で使用する顔料は酸化鉄

酸化鉄は、鉄の酸化物で、鉄の錆と同じ物質です。鉄の錆は、鉄が空気中の酸素と水分と反応して生成されます。酸化鉄は、この鉄の錆の結晶化したものであり、そのため耐食性に優れています。

また酸化鉄は非常に化学的に安定しており、水や有機溶剤に溶けにくい性質を持ちます。このため、化学反応による危険性は非常に低いとされています。

酸化鉄は自然界に広く存在し、他の顔料と比較して環境に優しい物質です。

2.顔料を酸化鉄にするメリット

  1. 耐食性への影響
    • 防蝕塗料の主な目的は、基材を腐食から保護することです。着色顔料は、塗料の基本的な耐食性能に必ずしも寄与しないため、その使用は慎重に行われるべきです。
    • 一部の着色顔料には、耐食性を損なう可能性がある成分が含まれていることがあります。特に、有害な化学物質を含む顔料は、塗料の全体的な性能に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  2. 品質と安全性の確保
    • 色を限定することにより、塗料の品質と一貫性を保ちやすくなります。また、安全性が確認された限られた顔料のみを使用することで、環境や人体への影響を最小限に抑えることができます。
  3. 環境への配慮
    • 着色顔料の使用を制限することは、環境への影響を減らす上でも重要です。有害な化学物質を含む顔料を避けることにより、塗料の廃棄時に環境に与える影響を減らすことができます。

国内生産、受注生産にこだわる理由

当社は、各物件に合わせて塗料を製作し、お客様にお届けしています。塗料は有機化学製品であるため、温度や湿度などの管理環境が品質に大きく影響を及ぼします。一般的に塗料の使用期限は1年とされていますが、製作後に長期間保管することは品質にとって最適ではありません。

当社では製品の品質を最大限に保つために、国内生産および受注生産に特化しています。このアプローチにより、塗料の鮮度を保ち、お客様に最高品質の製品を提供することが可能です。受注ごとに製造することで、新鮮な状態での製品提供が実現し、最適な性能を発揮する塗料をお客様にお届けできます。

環境条件に敏感な塗料の特性を考慮し、鮮度にこだわることは、製品の効果を最大限に引き出す上で重要です。受注生産は、品質を維持し、顧客満足度を高めるための当社の戦略の核心となっています。

まとめ

当社の材料製造においては、防蝕と耐食性能を最優先しています。このため、着色はできるだけ避け、必要な場合には環境に優しい素材を選択するこだわりを持っています。さらに、国内生産と受注生産を通じて塗料の鮮度にも細心の注意を払っています。

しかし、お客様からの着色のリクエストにも応じていますし、特に弊社のエポキシ樹脂は無溶剤で毒劇物を含まないため、安全に保管することが可能です。これは、お客様の多様なニーズに応えるとともに、品質と環境への影響を常に考慮していることを示しています。当社の方針は、最高品質の製品を提供しつつ、環境にも配慮するバランスを取ることにあります。

今回、作り手のこだわりを記事にすることで、少しでも環境にに対して気を使い、100%の製品を届けるといった思いをお伝えし、品質を重視しているお客様に、よりいっそう気に入って頂ければ幸いと考えております。

弊社は防蝕ライニング材料を販売し、腐蝕や劣化の設備に対して。最適な防蝕仕様の設計や、施工についての相談も受け賜ります。

ご質問等ありましたら、お気軽にお問合せ下さい。