フレークライニング工法とは、FRPライニングで使用する、ガラスマットやクロス等の強化ガラス繊維の代替えとして、樹脂にガラスフレークを配合させることにより、強化ガラス繊維の貼付け、積層作業や、脱泡作業といった手間を省略でき、塗りの工程のみで完結させることができる画期的なライニング工法です。
(株)RSテックのフレーク材料は、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂の3種類があります。
フレーク材を特殊な方法で樹脂に配合することで、一般的なフレーク材料の量よりも大量に添加させることを可能にしました。
硬化後の塗膜内にフレーク材が整列することで、薬液などの透過(浸透)を最大限防止することを目的とした防食機能を、耐食塗膜に形成することができます。

フレークライニングの特長
- 塗膜の中に無機フレーク材が整列することにより、腐食要因の物質が浸透抑制する防食バリア構造を形成します。
- フレーク材を大量に添加させることにより、硬化する際の硬化収縮を緩和させる効果があります。
- フレークを配合させることにより、耐摩耗性が向上します。
- 無機フレーク材を配合することにより、耐熱性が向上します。

(株)RSテックのフレークライニングの種類
RSフレークライニングは3種類の樹脂で構成されており、それぞれ特徴のある耐食皮膜を形成できる工法になっております。
- RS#200軟質不飽和ポリエステルフレーク
- RS#300ビニルエステルフレーク
- RSJ#100特殊エポキシフレーク
1:RS#200不飽和ポリエステルフレークライニング工法
FRPライニングに使用する不飽和ポリエステル樹脂を、ガラスマットやクロス等の貼り付け作業を無くしても、収縮クラックを生じないように、軟質に調整されているRS#200に、フレーク材を大量に添加させたフレークライニングは、安定性の高いライニング工法になります。
貼り付けによる積層工程が、塗りで出来ることで、大幅に工期短縮・工費削減が可能。FRPライニング仕様の大半がこの仕様で代替えできます。
RS#200は硬化剤の量で、硬化速度やポットライフを調整できるので、温度や現場の状況で対応しやすい作業性があります。
酸に対する薬品耐性は強く、弊社のRS#200は軟質に調整していることで、素地の動きや塗膜の残留応力(塗膜のストレス)の緩和、分散、拡散効果があります。この特徴を利用してビニルエステルフレークライニングの中間層として形成すれば、多重防食となり、よりハイスペックな仕様になります。
RS#200不飽和ポリエステル フレークライニング仕様例

2:RS#300ビニルエステルフレークライニング工法
RS#300は耐酸・耐アルカリ・耐溶剤等の幅広い化学薬品に対し耐性があります。
特に酸や溶剤に対する耐性は強く、高い水準の環境遮断性を求められる設備に適しています。
さらにRS#300は特殊な配合でフレークを混合させ、腐食物質の浸透を最大限に防止することができます。
RS#300(ビニルエステル)は不飽和ポリエステルと同等の作業性があり、硬化剤の量で、硬化速度やポットライフを調整できるので、温度や現場の状況で対応しやすい作業が可能です。
RS#300ビニルエステル フレークライニング仕様

RS#200を中間層としたRS#300フレークライニング耐酸仕様例
RS#200(不飽和ポリエステル)とRS#300(ビニルエステル)の多重防蝕仕様です。
RS#200は優れた耐酸性を有していますが、軟質という特性を利用した応力緩和効果もあります。幅広い薬品耐性のあるRS#300(ビニルエステル)と躯体との中間層として機能させることにより、より安定したハイスペックな耐酸仕様となります。

3:RSJ#100特殊エポキシフレークライニング工法
酸性からアルカリ性まで、幅広い薬品耐性を有し、安定的な接着性と水中・湿潤環境でも確実に硬化する特殊エポキシライニング工法です。
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RSJ#100に配合している無機セラミックは、フレーク材と類似していますが、その形状は少々異なります。

まとめ
FRPライニングで行う強化ガラス繊維の積層や脱泡といった工程は、熟練度が必要で、作業する職人によって品質のバラツキがあります。もちろんFRPライニングは、積層回数で信頼性の高い厚膜の管理ができ、強靭で軽量の強化プラスチック層が形成される最大のメリットがあります。
しかしながら、そこまで強靭な塗膜を必要としないケースが多く、むしろフレーク材による防食バリア構造を形成するフレークライニングの方が、薬品に対する耐久性は上回ります。
弊社では、3種類の耐食樹脂によるフレーク材料のラインナップがあり、腐食や劣化でお困りの設備に対して長期延命を目的とした、最適な樹脂と工法の選定をさせて頂いております。
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