近年、老朽化したインフラの修復や保護のために、さまざまなライニング工法が注目を浴びています。その中でも特に優れた性能を発揮するのが、RSJ#100エポキシライニング工法です。この工法は、耐久性、耐薬品性、環境への配慮など、多くの利点を備えており、多くの現場で選ばれています。この記事では、RSJ#100エポキシライニング工法の特長やメリット、実際の施工例を紹介し、なぜこの工法が多くの現場で選ばれるのかを解説していきます。
RSJ#100エポキシライニング工法とは?
RSJ#100エポキシライニング工法は、コンクリートや鋼材に対する防食・補強を目的としたライニング工法の一種です。無溶剤のエポキシ樹脂を主成分とした特殊なライニング材を使用し、対象物の表面に均一な層を形成することで、さまざまな外部要因からのダメージを防ぎます。
工法の概要
RSJ#100エポキシライニング工法は、コンクリートや鋼などの素材(母材)に、専用のバインダー(プライマー)を塗ることでしっかりと素地を安定させます。その後、高耐食性のあるRSJ#100エポキシ樹脂を分厚く塗り込み、コーティングすることで耐久性を向上させる工法です。この方法で素材を強化し、設備を長期で安全に使用して頂くことができます。
RSJ#100エポキシライニング工法の作業方法については別の記事で解説しています。
他のライニング工法との違い
RSJ#100エポキシライニング工法の魅力は、以下の3点です。
- 強化プライマーの使用: 躯体表面を強化する専用プライマーがあります。これにより、弱体化した躯体の表面強化が可能です。
- 優れた硬化性: 水中や湿潤な環境でも硬化がしっかりと行われるエポキシ樹脂を使用しています。これにより、作業性が向上します。
- セラミック配合: エポキシ材料にセラミックを大量に配合しています。これにより、塗膜に防腐バリヤを形成できるのです。
これらの特長により、RSJ#100エポキシライニング工法は多くの現場で採用されています。
独自の施工プロセス
RSJ#100は特殊なエポキシ材料で、水の中でも硬化する性質があります。この材料は現場で粘度を調整できるため、、例えばパテ状にしたり、樹脂モルタルを作ることができます。このことから、穴や隙間を埋めたり、表面を平らにしたりといった作業が簡単にできます。また、水の中でも硬化する特徴を生かすと、多様な用途に利用できます。この一つの材料だけで下地の補修から仕上げまでの作業ができるため、他の材料を用意する手間がありません。
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RSJ#100エポキシライニング工法のメリット
この工法が多くの現場で選ばれる理由は、以下のメリットにあります。
1. 耐久性
RSJ#100エポキシライニング工法の最大の特長はその耐久性にあります。従来のライニング工法に比べて、RSJ#100エポキシライニングはより長い耐用年数を誇ります。これにより、長期的なメンテナンスコストの削減が期待できるだけでなく、設備の寿命も延ばすことができます。

薬液透過を防ぐ防食構造
RSJ#100には、セラミックがエポキシ樹脂の中に特殊な方法で大量に配合・整列させる技術により、塗膜内に薬液が浸透しにくいバリヤ構造を形成します。
大量の無機セラミックは、防蝕機能の他に、硬化の際の硬化収縮による内部応力(塗膜内ストレス)の緩和、分散効果があります。
RSJ#100の耐久性についての詳細は別の記事で解説しています。
2. 耐薬品性
RSJ#100エポキシライニングは薬品に対しても優れた耐性を持っています。これにより、化学プラントや水処理施設などの厳しい環境にも適しており、設備の保護とメンテナンスの容易化が図れます。
塩酸15% | ◎ | ガソリン | ◎ |
塩酸10% | ◎ | 灯油 | ◎ |
硝酸10% | ◎ | 重油 | ◎ |
硝酸5% | ◎ | 石油エーテル | ◎ |
硫酸60% | ◎ | トルエン | ◎ |
硫酸40% | ◎ | キシレン | ◎ |
硫化水素 | ◎ | ナフサ | ◎ |
アンモニア 水40% | ◎ | 硝酸塩 | ◎ |
亜硫酸 | ◎ | ベンゼン | × |
苛性ソーダ | ◎ | アセトン | × |
3. 環境への配慮
RSJ#100エポキシ材料は環境に優しい無溶剤型の材料であり、施工時に有害な物質が発生することもありません。これにより、工事の安全性が向上し、環境への負担も軽減されます。
無溶剤型の防食材の優位性について詳細は別の記事で解説しています。
RSJ#100エポキシライニング工法の用途
これらの優位性により、RSJ#100エポキシライニングは、以下の用途に幅広く使用されています。
1. 化学プラント
化学プラントでは、様々な薬品が取り扱われており、その中には非常に強い酸やアルカリも含まれています。RSJ#100エポキシライニング工法はこれらの強い薬品に対しても強い耐性があり、排水設備や防液堤などのメンテナンスに利用されています。
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2. 水処理施設
水処理施設では、水の浄化や処理の過程で様々な物質が使用されます。また、水に含まれる微生物や有機物も設備にダメージを与える可能性があります。RSJ#100エポキシライニング工法は、これらのダメージから設備を保護し、長寿命化を図るのに役立っています。
3. 地下施設
地下施設は、湿度が高い環境であるため、設備の錆や腐食が進みやすい場所です。RSJ#100エポキシライニング工法は、湿度によるダメージから設備を保護し、長寿命化を図るのに適しています。
これらの優位性により、RSJ#100エポキシライニングは、以下の用途に幅広く使用されています。
防食ライニング材料の決め手となる項目とRSJ#100エポキシ樹脂ライニング
RSJ#100エポキシライニングは、幅広い耐薬品性、優れた密着性、水中・湿潤硬化性などの特長により、多くの現場で採用されています。
1:幅広い薬品耐性
2:薬液を浸透させない特殊な防蝕機能
3:水中硬化性を利用した湿潤環境での施工が可能
現地施工では、当日の天候や季節、施工環境により、湿潤環境になるケースが多々あります。
- 湿気で鉄面に水滴がついてしまう
- コンクリートから液体が染み出てくる
- 雨が降ってきた
- 躯体の隙間から液漏れがある
- 旧塗膜を剥がしたら湿潤環境だった
ほとんどの塗料(樹脂)は、水分がある状態では作業が出来ません。場合によっては汗が落ちただけでも密着不良になるケースもあります。
RSJ#100の特徴である水中硬化性を活かせば、100%湿潤状態があっても対応が可能になります。

このように、現地施工では不測の事態に対応できる材料の選定をしておく必要があります。
RSJ#100特殊エポキシ樹脂の製品情報

RSJ#100は、主剤と硬化剤を適切な割合で混合し硬化させる、熱硬化型2液性の無溶剤エポキシ樹脂材料です。幅広い薬品耐性と水中硬化性があります。
材料中に、無機セラミックを特殊な方法で大量に配合・整列させる技術で、乾燥した塗膜内に薬液浸透を防止するバリヤ構造を形成することで環境遮断、母材を長期で保護することができ、設備を安全に使用して頂くことができます。
RSJ#100の粘度タイプは2種類あります。
通常タイプ | 1回塗りで厚膜に塗布でき、ハケやローラーでの塗布が可能ですが、粘度は高いです。ヘラやバッカ―等で仕上げると綺麗に仕上がります。 |
コテ塗りタイプ | コテ塗りで塗布する最適な粘度、1回で2mm程度の厚膜仕上げが可能です。 |
いずれのタイプも高粘度で、1mm以上の超厚膜に仕上げることができる内容になっています.
まとめ
RSJ#100エポキシライニング工法は、その耐久性、耐薬品性、環境への配慮などから、多くの現場で選ばれています。また、水中硬化性を生かした独自性のある補修ができることから、施工期間を最小限に抑えることができ、効率的な工事が可能となります。
施工後も長期間にわたってその効果を維持することができるため、コスト面でも非常に効果的です。これからもRSJ#100エポキシライニング工法は、多くの現場でその優れた性能を発揮し、多くの設備の防食に選ばれるライニング工法といえます。
防食に関するご質問やRSJ#100の資料請求等ありましたら、お気軽にお問合せ下さい。