コンクリート防食の必要性と樹脂ライニング工法の種類(株)RSテック


コンクリートの腐食防止は、建築物や構造物の長期維持にとって非常に重要です。この記事では、コンクリート構造の多孔性、硬さ、および脆さを考慮し、樹脂による防蝕ライニングの適用について説明します。具体的には、各種樹脂と施工法の特徴を紹介し、それらがどのようにコンクリート構造を長期にわたって保護するかを解説します。

特に、コンクリートの劣化が進行すると、構造物の躯体強度の低下、剥落、鉄筋の露出など、重大な問題を引き起こすリスクがあります。

RSテックの耐食樹脂を活用した最適なライニング工法と、コンクリート構造物の長期保護について紹介します。当社の防蝕ライニング工法は、コンクリート設備の安全かつ長期的な使用を支える効果的なソリューションです。

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コンクリート防食をする際に知っておきたいポイント

コンクリートの構造を理解することで、防蝕する際のポイントを理解することができます。

1:コンクリートの基本構造理解

コンクリートは、セメント、水、骨材、空気から構成され、微細な隙間が存在します。これらの隙間は、液体の移動やガスの移動を可能にし、コンクリートの性能に影響を与えます。

  1. セメント: 水と反応して固まる接着剤のような役割を果たします。
  2. 水: セメントと反応し、水和物と呼ばれる固体生成物を形成します。
  3. 骨材: セメントと水を混ぜたペーストを固めた「モルタル」を包み込むことで、強度と耐久性を向上させます。
    • 粗骨材: 砂利など、大きめの骨材。
    • 細骨材: 砂など、細かい骨材。
  4. 空気: コンクリート製造工程で混入します。

2:液体とガスの動きへの注意

コンクリートの隙間を通じて、水やガスが自由に移動します。この現象は、時にコンクリートから液体が染み出る原因にもなります

  1. 液体の移動:
    • 水や空気などの液体は、これらの隙間を通って移動することができます。
  2. ガスの移動:
    • 空気などのガスも、隙間を通って移動することができます。

3:コンクリートの強度特性に注目

コンクリートは、圧縮力には強い一方で、引張力には弱いという特徴を持っています。

圧縮力

圧縮力 が加わった場合、コンクリート内部の骨材は互いに押し付けられ、隙間が閉じます。

  1. 接着剤の役割セメントと骨材の接着剤が、骨材同士をしっかりと接着し、全体で力を分散します。
  2. 隙間の影響微小な隙間は、圧縮力に対しては 大きな影響を与えません

引張力

引張力 が加わった場合、コンクリート内部の骨材は互いに引っ張られます。

  1. 接着剤の限界:セメントと骨材の接着剤は、引張力に対しては 弱く、容易に剥がれてしまいます。
  2. 隙間の拡大微小な隙間は、引張力によって 拡大 し、ひび割れや破損につながります。

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鉄筋コンクリート

コンクリートの引張力の弱さを克服するために、鉄筋コンクリート が開発されました。

  1. 鉄筋の役割:鉄筋は、コンクリート内部に埋め込まれ、引張力を受けます。
  2. コンクリートと鉄筋の協働コンクリートは圧縮力を受け、鉄筋は引張力を受け、互いの弱点を補い合って 強固な構造体を形成します。

4:鉄筋の腐食とコンクリートの割れ

コンクリートは本来アルカリ性(pH 約12)であり、この性質により鉄筋表面には腐食を防ぐ不働態被膜と呼ばれる酸化皮膜が形成されます。しかし、雨水や二酸化炭素がコンクリートに浸透すると中性化が進行し、pH が低下します。さらに、酸性物質がコンクリートに影響を与えると、中性化が加速し、不働態被膜がより早く破壊されてしまいます。

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防食対策の重要性

コンクリート構造物の防食は、腐食や劣化を進行させる可能性のある液体やガスの侵入を遮断することで、その耐久性と安全性を維持します。

コンクリートの防蝕に関するこれらの知識は、構造物の長期的な保全と維持において不可欠です。適切な防蝕対策を講じることで、コンクリート構造物はより長く、安全に機能し続けることが可能になります。

樹脂ライニングによるコンクリート防食

コンクリートの腐食や劣化を効果的に防ぐには、有害な液体やガスからコンクリートを完全に遮断することが必要です。

1. コンクリート内部の隙間に注目

コンクリート構造物の防食において最も重要なのは、コンクリート内の隙間を通じた液体やガスの移動を防ぐことです。これらの隙間を通じて、有害な要素が内部に浸透し、コンクリートの腐食や劣化を引き起こす可能性があります。

2. 強固な耐食性皮膜の形成

コンクリート表面に耐食性の高い皮膜を形成することが、腐食防止の鍵です。耐食材料を活用して防蝕ライニングを行うことで、厚くて丈夫な保護層を形成し、中性化を加速させる腐蝕要因物質からの環境遮断をします。

3. 樹脂ライニングの利点

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防蝕ライニングでは、腐食を引き起こす物質に応じて適切な樹脂を選定することが重要です。樹脂の種類には、柔軟性塗膜や高密度で強靭な塗膜など様々です。

また、フレークライニングやFRPライニングなど、多岐にわたる工法が存在します。それぞれの用途、条件に合わせた材料と工法、塗膜厚さの選択が、効果的な防蝕設計には不可欠です。

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コンクリート防食、樹脂ライニング工法の種類

1:RS#123ポリウレタンライニング

当社のRS#123ポリウレタンライニングシステムは、驚くほどシンプルな仕様で、単に塗り重ねるだけで完結します。

1mmの耐食塗膜をコーティングするには高度な技術が必要となりますが、RS#123ポリウレタンライニングでは、しみ込ませて固める手法により、簡易的に同様の厚さの層を形成することが可能です。

さらに、RS#123をプライマーとして使用することで、上にコーティングする耐食材と組み合わせた、ハイグレードな多重防蝕仕様にすることができます。

RS#123は速乾性のある1液性の塗料です。誰でも簡単に施工ができる作業性が特徴ですが、最大の特長は、含侵固着したコンクリート表層約1mmは、樹脂とコンクリートの一体化構造となり、高密度化による躯体の強化です。

RSテックのコンクリート防食ライニングは、RS#123(ポリウレタン樹脂)プライマーをベースとして構成され、上に塗る耐食材料を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂など選択することができます。

RS#123プライマーの詳しい内容は、以下のリンクから確認ができます。

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2:無機セラミック配合特殊エポキシライニング

RSJ#100エポキシライニング工法は、コンクリートの耐久性を向上させ、設備の長寿命化を実現するための高度な技術です。そのプロセスは下記の通りです。

RSJ#100の水中塗布と硬化状況をYoutube動画で見れます。以下のリンクから確認してください。

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RSJ#100は、特殊な無溶剤型のエポキシ耐食材料です。この材料は、幅広い薬品に対する耐性を持ち、湿潤な環境や水中でも問題なく硬化します。また、セラミックが豊富に配合されており、防食性能を向上させています。

RSJ#100エポキシライニング工法の詳しい内容は、以下のリンクから確認してください。

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RSJ#100エポキシ樹脂の特徴は、水中でも硬化する能力にあります。また、現場での粘度調整が可能で、耐食エポキシパテや耐食樹脂モルタルを作成できるため、施工の柔軟性が高まります。これにより、予期せぬ状況にも効果的に対応することが可能です。

RSJ#100を使用して現場で耐食エポキシパテや樹脂モルタルを作る方法については、以下のリンクから確認ができます。

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RSJ#100は、耐薬品性と作業性のバランスを備えた、信頼性の高い耐食材料です。設備の保護やメンテナンスにおいて、優れた性能を発揮します。
また強度が必要な用途では、水中硬化性をそのままにRSJ#100のFRP工法を選択することができます。詳しい内容は以下のリンクから確認ができます。

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3:ポリウレアライニング

コンクリートの割れや亀裂などに追従できるという理由で採用されるケースが多く、ゴム状ですので、衝突摩耗にも強いことが特徴です。

ポリウレアライニングは高圧で吹き付けると同時に、数十秒で乾燥(硬化)するといった超速乾性があるため、2mm以上の厚膜施工を連続的に広範囲に塗布することが出来ます。

当社では、ポリウレアライニングにおける接着性の問題に焦点を当て、長期にわたる安定した接着を実現するプライマーを開発しています。詳しい内容は以下のリンクから確認できます。

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4:FRPライニング

FRPライニングとは、強化ガラス繊維に樹脂をしみ込ませ、積層していく防食ライニング工法のことをいいます。

FRPライニングの特長は、強化ガラス繊維の厚み分で、確実な膜厚管理ができる事です。積層の回数の分だけ膜厚が増えていき、強靭な塗膜形成が可能となります。

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(株)RSテックで使用する樹脂は、不飽和ポリエステル・ビニルエステル・エポキシ樹脂などの耐食材料でFRPライニングが可能です。

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5:フレークライニング

フレークライニングは、耐食樹脂にガラスフレークを配合する技術です。この技術により、塗膜内でフレーク材が整列し、防蝕バリア構造を形成します。これにより、薬液などの腐食要因からコンクリートを効果的に保護します。

従来のFRP工法では、積層と脱泡、そしてバリ取り作業など、手間のかかる工程が必要でした。しかし、フレークライニングでは、これらの作業を大幅に省略でき、塗装作業だけで完結できることが最大の特徴です。

当社では、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、無溶剤エポキシ樹脂など、さまざまな樹脂を使用したフレークライニング材料を揃えています。どの樹脂を使用しても、RS#123プライマーの塗り重ねによって得られる「コンクリートと樹脂が一体化した靭密な強化層」の上にフレークライニングを行う工法が採用されています。

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不飽和ポリエステル樹脂RS#200不飽和ポリエステルフレークライニング
ビニルエステル樹脂RS#300ビニルエステルフレークライニング
エポキシ樹脂RSJ#100無溶剤エポキシフレークライニング

その他の樹脂ライニング

塩ビライニング

塩ビライニングの詳しい内容は、以下のリンクから確認ができます。

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ゴムライニング

ゴムライニングの詳しい内容は、以下のリンクから確認してください。

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まとめ

コンクリート構造物の防食において、RSテックは多彩な防食樹脂ライニング工法を提供しています。

1つの樹脂や工法で全ての問題が解決されることはまずありません。樹脂や工法の選択は、設備の状態や環境に応じて検討する必要があります。コンクリート構造物を効果的に保護するためには、適切な防食設計が不可欠です。

腐食から大切な設備を守る

(株)RSテックは、防蝕ライニング専用の樹脂販売、防蝕設計、各種防蝕ライニング施工まで、一貫したサービスを提供しています。お客様のニーズに最適な防蝕対策をトータルにサポートいたします。

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