温泉地のコンクリート腐食とは?原因と対策を解説。RSJ#100エポキシライニング

温泉地には、温泉水や噴気ガス、温泉土壌など、コンクリートを腐食させる要因が存在します。これらの要因によってコンクリートが劣化すると、建物の倒壊や崩落などの重大な事故につながる可能性があります。そのため、コンクリートの防食対策は温泉地の運営において重要なポイントとなります。

そこで、本記事では温泉地のコンクリート腐食について、その原因と対策を解説します。

温泉地のコンクリート構造物が腐食を受けているかどうかは、以下の点に注意して確認することができます。

  • コンクリートの表面が白く粉を吹いている
  • コンクリートにひび割れや剥離が起きている
  • コンクリートの強度が低下している

これらの点に注意して、コンクリートの劣化を早期に発見し、適切な対策を講じることが重要です。

温泉地の環境を理解し、適切な対策を講じることで、コンクリートの腐食や劣化を防ぐことができます。

温泉地のコンクリート腐食の対策として、樹脂による防食を行う事が一般的です。その中でもRSJ#100エポキシライニングは、アルカリ性から酸性まで、幅広い薬品耐性を持つ防食ライニング工法です。

RSJ#100は水中硬化性があるため、水中や湿潤環境での施工が可能で、メンテナンス、補修においても適しています。さらに、1度塗りで厚膜にできるため、作業性にも優れています。

これらの特徴から、温泉地帯特有の腐食要因である温泉水や噴気ガス、温泉土壌からコンクリートを保護することを目的とした場合、RSJ#100エポキシライニングは温泉地のコンクリート防食に最適な材料といえます。ぜひ参考にしてみてください。

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温泉水による腐食

温泉水のpHは、一般的に海水よりも低く、2.5以下のものもあります。pHが低い温泉水は、コンクリートの表面に付着したアルカリ性物質を中和し、コンクリートの中性化が促進します。中性化が進むと、コンクリートの強度が低下し、ひび割れや剥離などの劣化が生じます。

また、温泉水中には、硫酸イオンや塩化物イオンなどの腐食性イオンが存在しています。これらのイオンは、コンクリートの内部に浸透して鉄筋を腐食させ、コンクリートの強度をさらに低下させます。


温泉地の腐食は、温泉の成分に関係があります。温泉の成分には、以下のようなものがあります。

  • 酸性成分

温泉水によるコンクリート腐食の主な原因は、温泉水に含まれる酸性成分です。温泉水のpH値は、酸性からアルカリ性までさまざまですが、一般的に酸性泉ほどコンクリートの腐食が激しくなります。

温泉水に含まれる酸性成分には、以下のようなものがあります。

  • 硫酸:温泉水の酸性成分の代表格です。硫酸イオンは、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応して、可溶性の硫酸カルシウムに変化し、コンクリートから溶け出します。
  • 炭酸:温泉水に溶け込んだ二酸化炭素が水と反応してできる炭酸は、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応して、可溶性の重炭酸カルシウムに変化し、コンクリートから溶け出します。
  • 硝酸:温泉水に溶け込んだ硝酸イオンは、コンクリート中の水酸化カルシウムと反応して、可溶性の硝酸カルシウムに変化し、コンクリートから溶け出します。

これらの酸性成分は、コンクリートの主成分である水酸化カルシウムと反応して、可溶性の塩基性化合物に変化し、コンクリートから溶け出します。コンクリートから水酸化カルシウムが溶け出すと、コンクリートの強度が低下し、ひび割れや剥離などの劣化を引き起こします。

  • 硫化水素


温泉地では、温泉水から出た硫化水素が拡散することがあり、コンクリートを腐食させます。そのメカニズムは、以下のとおりです。

  1. 硫化水素は、空気中の酸素と反応して硫酸に酸化されます。
  2. 硫酸は、コンクリートの主成分である水酸化カルシウムと反応して、可溶性の硫酸カルシウムに変化し、コンクリートから溶け出します。
  3. 硫酸カルシウムは、水に溶けやすいため、コンクリートから溶け出すと、コンクリートの強度が低下し、ひび割れや剥離などの劣化を引き起こします。

温泉地のコンクリート構造物を保護するためには、硫化水素による腐食を防ぐ必要があります。そのためには、硫化水素の発生を抑制したり、硫化水素による腐食を防ぐための対策を施したりするなどの対策が必要です。

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噴気ガスによる腐食

1. 酸性ガスによる腐食

温泉地には、硫化水素や二酸化炭素などの酸性ガスが含まれることがあります。これらのガスは、コンクリートの主成分である水酸化カルシウムと反応して、可溶性の塩基性化合物に変化し、コンクリートから溶け出します。コンクリートから水酸化カルシウムが溶け出すと、コンクリートの強度が低下し、ひび割れや剥離などの劣化を引き起こします。

2. 還元ガスによる腐食

温泉地には、水素やメタンなどの還元ガスが含まれることがあります。これらのガスは、コンクリートの鉄筋と反応して、鉄を酸化させます。鉄が酸化されると、鉄筋の強度が低下し、コンクリート構造物の耐久性が低下します。

温泉土壌による腐食

温泉地の土壌中には、硫酸イオンや塩化物イオンなどの腐食性イオンが含まれています。これらのイオンは、コンクリートの内部に浸透して鉄筋を腐食させます。

また、温泉地の土壌は、酸性であることが多いため、コンクリートの中性化を促進することがあります。


温泉地の土壌によるコンクリート腐食のメカニズムは、以下のとおりです。

  1. 温泉地の土壌には、硫酸イオンや塩化物イオンなどの腐食性イオンが含まれています。
  2. これらのイオンは、コンクリートの内部に浸透して鉄筋を腐食させます。
  3. 鉄筋が腐食すると、コンクリートの強度が低下し、ひび割れや剥離などの劣化が生じます。

温泉地のコンクリート腐食が想定される代表的な設備

温泉地のコンクリート設備

温泉地のコンクリート設備で腐食や劣化の恐れがある代表的な設備は下記の通りです。

  • 排水溝

排水溝は、温泉の汚水や洗い流された汚れを排出するために使用される設備です。排水溝は、温泉の熱や成分によって腐食し、漏水や臭気の発生の原因になる可能性があります。

  • 配管

配管は、温泉水等を運ぶために使用される設備です。配管は、温泉の熱や成分によって腐食し、漏水の原因になる可能性があります。特に埋設してある配管は酸性土壌の影響もあり、腐食の進行が早く、早期に発見し防食メンテナンスを行うことが重要です。

  • 外壁

温泉の熱や成分の影響がある外壁などは、腐食や劣化が促進します。そのようなコンクリートは防食する必要があります。

  • 土台

土台は、建物を支える重要な設備です。土台は、温泉の成分によって腐食し、建物の倒壊の原因になる可能性があります。腐食や劣化対策がされていない土台は、防食する必要があります。

温泉地帯のコンクリート設備の腐食で共通していること

温泉水の成分には、酸性成分、塩分や硫化水素などの腐食性物質が含まれています。これらの物質がコンクリートの内部に侵入すると、鉄筋を腐食させ、コンクリートの強度を低下させます。

コンクリートは、セメント、砂、砂利、水を混ぜて作られるため、内部に空隙が存在します。この空隙が、温泉水やガス等が行き来する経路となり、腐食や劣化の原因となります。

これは全てのコンクリート設備に共通しています。

温泉地のコンクリート腐食対策で重要な2つのポイント

温泉地のコンクリート設備の防食工事では、次の2つのポイントが重要です。

  1. 外部からの侵入をシャットダウンする

温泉水やガスが外部からコンクリート内部に侵入することにより腐食や劣化が促進されます。そのため侵入経路を塞ぐ必要があります。

  1. コンクリート内の空隙を埋める

コンクリート内の空隙を埋める対策をすることで、温泉水やガスが行き来するのを抑制することができ、中の鉄筋を保護することができます。そのため、コンクリート内の空隙を埋める対策を講じる必要があります。

これらの2つのポイントを押さえた防食設計を行うことで、温泉地のコンクリート設備の耐久性を維持し、安全に利用することができます。

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温泉地のコンクリート腐食にRSJ#100エポキシサイニング工法が最適な理由

RSJ#100エポキシライニング工法は、温泉地帯のコンクリート構造物に適した防食工法です。

RSJ#100エポキシライニングは、アルカリ性から酸性まで、幅広い薬品耐性がある強固な塗膜形成が可能であり、温泉地帯特有の腐食要因物質等の外部からの侵入を、シャットダウンすることができます。

また、RSJ#100エポキシライニングのコンクリート用プライマーであるRS#123は、特殊なプライマーであり、積極的にコンクリート内部にしみ込んで固まる含侵固着型プライマーです。このプライマーをコンクリートの空隙な部分にしみ込ませることにより、空隙部分を埋めることができ、温泉水やガスの行き来を遮断することができます。

この2つを組み合わせた防食設計であるRSJ#100エポキシライニング工法は、温泉地帯のコンクリート構造物にとって、最適な防食仕様であると言えます。

RSJ#100エポキシライニング工法の特徴

RSJ#100エポキシライニング工法の特徴は、次のとおりです。

  1. 幅広い薬品耐性
  2. 含侵固着型プライマー
  3. 水中硬化性

RSJ#100エポキシライニング工法のメリット

RSJ#100エポキシライニング工法のメリットは、次のとおりです。

  1. 温泉地帯特有の腐食要因物質からの防蝕効果
  2. コンクリート内部の空隙を埋めることによる防食効果
  3. 湿潤環境でも硬化できるため、メンテナンス性が高い

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まとめ

温泉地には、その地帯特有の成分やガスによって、腐食や劣化が進む建造物や設備が多くあります。腐食が進むと、建物の耐久性が低下し、事故や災害の原因になる可能性があります。そのため、温泉地では腐食対策の定期的なメンテナンスが必要です。

温泉地帯のコンクリート構造物には、腐食や劣化の対策として、RSJ#100エポキシライニング工法が最適です。

RSJ#100エポキシライニング工法は、幅広い薬品耐性と含侵固着型プライマーにより、温泉地帯特有の腐食要因物質からの防食効果と、コンクリート内部の空隙を埋めることによる防食効果を両立しています。

また、水中硬化性があるため、湿潤環境でも硬化に問題無く、メンテナンス性が高いというメリットもあります。

温泉地帯のコンクリート構造物の防食工事をお考えの方は、RSJ#100エポキシライニング工法をご検討ください。

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