コンクリート構造物の防食メンテナンスで樹脂ライニングする場合はプライマーが重要

コンクリート構造物は、水や塩分の他、薬品や廃液など、様々な環境によって腐食や劣化を引き起こすことがあります。そして長期使用していく過程で、その腐食や劣化は進行していきます。

このような状況では、設備を新規で作り直すよりは、補修していくことによって設備を長期で維持していくという考え方が一般的です。

メンテナンスをする場合、腐食や劣化の原因を明らかにして、それに耐えうる防食設計をすることでコンクリート構造物の長期維持を可能にすることができます。

弱体化したコンクリート構造物の防食設計を考えるとき、どうしても樹脂の耐食性や防食性といった耐久性を重視し、薬品耐性や同様設備の実績といった事にこだわる傾向にあります。もちろん重要なことではあります。

しかし、当社で防蝕設計する際の考え方は、以下のような内容となります。

強固な樹脂ライニング膜をコーティングする前に、弱体化したコンクリート表面の強化をする必要があるという事です。これはどの設備でも共通していることです。当社では、特殊なコンクリート用プライマーを防食設計に取り入れることで、弱体化したコンクリート表面の強化を実現しており、その上に耐食性樹脂によるライニングをすることで他仕様との差別化をしています。

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防食ライニングしたときのコンクリート表面にかかる負担

コンクリートに厚膜の強固なライニング層を塗布すると、それだけコンクリート表面に負担がかかるのは、以下の2つの理由が考えられます。

  1. ライニング層の重量
    • ライニング層は、コンクリート表面に塗布されるため、コンクリート表面に重量がかかります。厚膜のライニング層を塗布すると、その分の重量がコンクリート表面に負担をかけます。
    • 防食ライニング層は1mm以上の厚膜にすることが一般的です。1㎡に対して1.5kg~3kg程度の重量かかると考えればイメージがわくと思います。それだけの重量がコンクリートに負担をかけていることになりまます。
  1. ライニング層の収縮(変形)
    • ライニング層は、塗布後、乾燥の際に収縮を起こします。厚膜のライニング層を塗布すると、その収縮(変形)がコンクリート表面に負担をかけます。
    • コンクリートにしっかり接着していると、目では確認できませんが、塗布した塗膜はすでに剥がれる方向に力が働いています。

具体的には、以下のような現象が起きるリスクがあります。

  1. コンクリートのひび割れ
  2. ライニング塗膜の剥がれ
  3. コンクリートの強度低下による剥落

いくら耐久性の良い耐食材を用いて防食ライニングをしても、それを支えるだけの躯体表面の強化を行わないと設備の長期維持は可能になりません。

これが当社の考え方です。

弱体化したコンクリート表面の強化を目的としたRS#123プライマー

RS#123プライマーがコンクリート表面に積極的にしみ込んで固着することによって、表層に1mm程度の一体化した層ができれば、コンクリート表面は強化され、上に厚膜のライニング層を塗布しても十分な強度を得ることができます。

それは強固な塗膜で悪環境を遮断する防食ライニングにとって最適なプライマーとなります。

RS#123プライマーはコンクリートのポーラスな構造に積極的にしみ込んでいき固着するタイプの防食ライニング専用のプライマーです。

RS#123プライマーで防食ライニングするメリット・デメリット

RS#123プライマーを使用するメリット

特徴詳細説明
固着性コンクリートの内部にしみ込んで固着するため、一体構造となり塗膜が単独で剥がれることがない。
厚膜形成コンクリートの上に1mmの厚膜を付けるのではなく、内部にしみ込ませることで容易に約1mmの一体層を形成できる。
強化効果弱体化した多孔質のコンクリート表層にRS#123プライマーがしみ込むことにより、靭密構造となり強化され、耐食性の強固なライニング膜を上塗りしても十分に耐えられる。
耐食性と防食性ポリウレタン樹脂であり、それ自体に耐食性・防食性・防水性がある。さらに上塗りすることで2重防食構造を実現する。
微細な凹凸やクラックの修復塗り重ねることにより、微細な凹凸やクラックが埋まる。
使用の容易性1液性塗料で速乾タイプなので、誰でも簡単に塗布できる。

RS#123プライマーを使用するデメリット

  1. プライマーは一般的には1回塗りですが、RS#123プライマーの場合、表層に1mm程度しみ込ませるためには3回程度は塗り重ねる必要があります。
  2. 一般的なプライマーよりも使用量は多くなる。
  3. 溶剤分が多いため臭気がある。
  4. 樹脂のしみ込み方は、そのコンクリートの状況によって異なるため、使用量は予測しにくい。

RS#123の基本情報と使用方法を解説した記事は、以下のリンクより確認ができます。

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まとめ

腐食や劣化が進行し、弱体化したコンクリート構造物を防蝕設計する場合、当社では防食ライニングに耐えうる躯体表層の強化を防食設計に必ず取り入れることにしております。なぜなら全ての現場で共通していえることであり、必須であると考えています。

RS#123プライマーを活用した、防蝕ライニング工法の種類について解説した記事は、以下のリンクから確認できます。

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ここでは弱体化したコンクリート構造物を防食メンテナンスする場合には、躯体表層の強化を取り入れた防食設計が重要であり、躯体表層の強化を重視したRS#123プライマーのメカニズムを説明することで、プライマーの重要性を解説してきました。

「ただ密着する」、「上に塗る耐食材との相性が良い」だけでは、弱体化したコンクリートのメンテナンスには通用しない場合があります。

是非、参考にしてみてください。

腐食から大切な設備を守る

(株)RSテックは、防蝕ライニング専用の樹脂販売、防蝕設計、各種防蝕ライニング施工まで、一貫したサービスを提供しています。お客様のニーズに最適な防蝕対策をトータルにサポートいたします。

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