防食ライニング工法、RSJ#100無機セラミック配合特殊エポキシライニング

RSJ#100無機セラミック配合特殊エポキシライニングは、高湿潤環境での対応性、一度塗りでの超厚膜施工、幅広い薬品耐性、機械的強度の向上、長期安定密着性そして安全性と環境配慮といった多岐にわたる利点を備えています。

これらの特性により、産業施設や高負荷環境での使用に最適であり、施工の柔軟性と長期的な設備の維持を実現します。RSJ#100は、持続可能な未来と環境保護を支える革新的な工法として、広く採用されています。

弊社は多様な現場施工を経験し、四季が存在する日本においては、特に湿度が高い時期に特有の課題に直面します。新設ではない既存設備のメンテナンスが主な作業となる中で、劣化したコンクリートはしばしば大量の水分を含んでいます。

RSJ#100はこれらの課題を克服し、様々な環境での使用を可能にしています。本稿では、このライニング工法の特長、耐食性や無機セラミック配合によるメリット、そして環境への配慮について詳しく解説していきます。

関連記事:

RSJ#100特殊エポキシ樹脂の特徴

RSJ#100は、耐薬品性に優れた耐食性エポキシ樹脂に基づく特殊材料です。この素材は、ガラスフレークと類似した特性を持つ無機セラミックを大量に添加し、乾燥塗膜内で整列させることによって、強化された防蝕機能を持ちます。この独特な構成により、RSJ#100は多くの特性を有しています。

RSJ#100エポキシライニング工法の仕様例:

以下の表は、RSJ#100の様々な特徴を分かりやすく整理したものです。

RSJ#100の特徴
湿潤環境・水中環境での硬化性
無為セラミック配合の防蝕性と耐摩耗性の向上
酸性からアルカリ性まで幅広い化学薬品に対する耐食性
1度の塗り工程で超厚膜施工の作業性
増粘剤を使用することで現地でパテ材作成ができる現場対応性
無溶剤で環境への負荷を最小限に抑える効果
毒劇物取締法対象外の安全性と保管性
様々な母材との強固な安定密着性
高水準な環境遮断性
塗膜硬化時の変形が少ない接着安定性

関連記事:

RSJ#100の湿潤環境での硬化性

RSJ#100の最大の特長は、高湿潤環境下でも施工が可能であることです。従来の塗装やライニング工法では、湿度が高い環境での施工は品質の低下を招く主要な要因でした。既設の設備のメンテナンスを考えると、すでに劣化したコンクリートが水分を多量に含んでいるケースが多く、RSJ#100はこのような環境でも優れた施工性を発揮します。

防蝕ライニングの作業では、下地処理が品質を左右する重要なステップです。屋外での現場施工やメンテナンス修理の際、予期せぬ湿潤環境に遭遇する可能性が高く、水中でも硬化する特性を持つRSJ#100のような特殊材料が、このような不測の事態に対応するための選択肢とまります。

RSJ#100の水中硬化性を利用した内容は、以下のリンクから確認ができます。

関連記事:

また、水中での塗布をYoutube動画で確認ができます。

無機セラミックを大量配合のRSJ#100

RSJ#100の無機セラミックの添加により、防蝕性と機械的強度が顕著に向上します。これは、非透過性の向上や、物理的摩耗に対する耐性を高めることを意味します。

RSJ#100は、特殊な方法で大量の無機セラミックを塗料に配合することで、乾燥塗膜にバリヤ構造を形成し、優れた防蝕性能を追加しています。

この構造は、液体の浸透を極限まで遅延させる防食機能を強化し、塗膜の耐久性を向上させ、安定した密着性を保持します。これにより塗膜の長寿命化に大きく寄与します。さらに、無機セラミックの大量配合は、物理的衝撃への耐性を高め、耐傷性と耐摩耗性を向上させます。

フレークライニングの基本知識と、どのような用途で使用されているのかをまとめた内容は、以下のリンクから確認ができます。

関連記事:

無機セラミックを配合させるメリット

  1. 液の透過を限りなく遅延させるバリア構造を塗膜内に形成、長寿命化ができる信頼度のきわめて高い防食塗膜層が出来上がります。
  2. 1度塗りで超厚膜をつけても硬化収縮による塗膜内にある残留応力の分散を可能にします。
  3. 耐熱性の向上
  4. 無機セラミックの硬度により、機械的強度が向上し、耐傷性・耐摩耗性が向上します。

当社では、様々な用途に対応できる、多岐ににわたる耐食性フレーク材料を取り揃えております。

フレークを配合した耐食樹脂の種類と、フレークライニング工法の詳細は、別の記事にまとめてあります。以下のリンクから確認ができます。

関連記事:

塗膜の強度が特に求められる場合には、RSJ#100を用いたFRP(繊維強化プラスチック)工法の採用が適しています。この方法では、RSJ#100の持つ耐薬品性や水中での硬化能力を損なうことなく、フレーク材の代わりに強化ガラス繊維を使用して積層することで、塗膜強度を重視した構造にすることができます。

関連記事:

詳しい内容は、以下のリンクから確認ができます。

関連記事:

RSJ#100の化学薬品耐性

RSJ#100の持つ幅広い薬品耐性は、化学工場、廃水処理施設、石油精製所など、多様な薬品に晒される環境での使用に最適です。この特性により、RSJ#100は様々な産業分野でのニーズに応えることができます。

塩酸15%ガソリン
塩酸10%灯油
硝酸10%重油
硝酸5%石油エーテル
硫酸60%トルエン
硫酸40%キシレン
硫化水素ナフサ
アンモニア 水40%硝酸塩
亜硫酸ベンゼン×
苛性ソーダアセトン×
1年間浸漬試験の参考耐蝕表

RSJ#100の応用性

RSJ#100は現場での使用においても高い対応力を発揮します。増粘剤の使用による粘度調整が可能であり、RSJ#100のエポキシパテを現場で簡単に作ることができます。これにより、不陸調整やヒビの補修など、一括で作業を行うことが可能となります。さらに、水中でも硬化する特性があり、様々な状況下での応用性を高めています。

粘度調整をしてRSJ#100のパテ材を作成できる優位性は、現地で自由に造形ができ、下地の凹凸を平滑にしたり、隙間をシーリングできたりと多様性に優れます。詳しい内容は以下のリンクから確認ができます。

関連記事:

RSJ#100の安全性と環境の配慮

RSJ#100は無溶剤型エポキシ樹脂を使用しています。これは環境への影響を最小限に抑えると同時に、作業者の健康へのリスクも低減します。無溶剤型であるため、揮発性有機化合物(VOC)の排出が少なく、よりクリーンで安全な作業環境を提供します。

またRSJ#100は、ビスフェノールF型を採用しており、主剤と硬化剤からなる2液混合型塗料です。毒劇物取締法の対象外となり安全性が高く、環境に優しい耐食材料です。施工現場での安全性を確保しつつ、長期的に環境保護に貢献することができます。

溶剤型と無溶剤型の樹脂について詳しい解説を以下のリンクから確認ができます。

関連記事:

まとめ

RSJ#100エポキシライニング工法は、安定した接着性、優れた耐薬品性、そして無機セラミックによる防錆機能の高い環境遮断性を兼ね備えています。これにより、さまざまな腐食環境下での設備保護に顕著な利点を提供します。特に注目すべきは、湿潤条件や水中でも硬化可能なこの工法の柔軟性であり、従来の方法では対応が難しい施工環境でも適用可能となります。

さらに、現場で簡単にRSJ#100のエポキシパテを作成できるため、従来のライニング工法に比べて圧倒的な作業性を実現しています。このため、作業を行う業者からの支持も厚く、一般的なFRP仕様の代替としての依頼も増加しています。RSJ#100は、幅広い環境と要求に応えることができる革新的な防食ライニング工法として、その地位を確立しています。

腐食から大切な設備を守る

(株)RSテックは、防蝕ライニング専用の樹脂販売、防蝕設計、各種防蝕ライニング施工まで、一貫したサービスを提供しています。お客様のニーズに最適な防蝕対策をトータルにサポートいたします。

主なサービス内容

お気軽にお問い合わせください

防蝕対策に関するご相談は、(株)RSテックにお任せください。専門スタッフが、お客様のニーズに最適なソリューションをご提案いたします。

お問い合わせ

関連記事>>プラントメンテナンスの腐食対策についてはこちら

関連記事>>塗膜を超厚膜にするメリットについて詳しく解説しています

関連記事>>その他の防食ライニング工法についてはこちらから

関連記事>>エポキシ樹脂ライニング材について、知っておきたい重要事項についてはこちら