防蝕ライニングでは下地との密着性は重要!初期接着力より安定接着の理由

防蝕ライニングは、通常の塗装では対応できない厳しい環境下での耐久性を提供し、強化された環境遮断を実現します。保護膜を超厚膜形成にすることで、対象物を長期にわたり保護することができます。

この過程で、樹脂塗膜の耐久性はもちろん重要ですが、対象物との密着性も同様に重視されます。

適切な下地処理と最適なプライマーの選択が不可欠です。下地処理には、表面の洗浄や研磨が含まれ、これによりプライマーと下地との間に強固な結合を形成し、耐食材料への効果的な橋渡しが可能となります。

(株)RSテックは、防蝕ライニング用樹脂の販売、防蝕設計、施工を一貫して行い、防蝕に関わるあらゆる問題解決を目指しています。お客様のニーズに合わせた最適な防蝕ソリューションを提供し、トータルサポートを通じて確かな安心をお届けします。

ここでは、防蝕ライニングにおいては長期的な接着力の確保が必要であり、これを達成するための適切な下地処理とプライマーの選択について詳しく解説していきます。
ぜひ、参考にしてください。

初期接着と長期安定接着の違い

初期接着と長期安定接着の違いを表でまとめると以下のようになります

特性初期接着長期安定接着
定義ライニング材料が下地に最初に取り付けられた初期の接着強度。時間が経過しても維持される接着の強さと品質。
重要性高い接着強度が即座に必要。長期間にわたる接着と安定性が求められる。
目的素材がすぐに固定され、初期の保持が確保される。長期的な素材の保護と環境への耐性。
応用分野一時的な固定や短期間のプロジェクト。建築物、インフラ、工業用途など長期的な用途。
考慮点初期の強度が重要で、即時の性能が求められる。環境条件や時間の経過による影響を考慮し、持続性が求められる。

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塗膜劣化のプロセスと密着性の関係性

  1. 腐食要因物質の侵入:
    • 防蝕ライニングの塗膜は、腐食を引き起こす物質の侵入(透過)から始まる劣化に直面します。
  2. 素地への到達:
    • やがて、これらの腐食要因物質は塗膜を通過して素地(基材)に到達します。
  3. 耐食性と防食性の役割:
    • ライニング塗膜の耐食性と防食性は、腐食要因物質の素地への到達を最大限遅延させる機能を担います。
  4. 塗膜破壊の遅延:
    • ただし、腐食性物質が素地に到達したとしても、塗膜の密着性が維持していれば、すぐに塗膜の破壊には至りません。
  5. プライマーの重要性:
    • 素地とライニング塗膜の密着性を向上させることが、腐食要因物質が素地に到達してから塗膜破壊に至る期間を最大限遅延させる鍵です。
    • プライマーの品質と安定した接着を実現する工夫が、密着性向上の鍵です。

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防食ライニングの塗膜は、腐食要因物質の侵入により劣化が始まりますが、その耐食性と防食性により劣化の進行は遅延されます。しかし経年によって腐食性物質が基材に到達した場合、基材とライニング塗膜間の長期で安定した密着性の向上は、塗膜の破壊までの期間を効果的に延長します。このプロセスにおいて、プライマーの役割と密着性の向上が塗膜の耐久性に大きく寄与することがわかります。

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密着性に影響する下地処理とプライマー

下地処理(下地調整)

防蝕ライニングの密着性は、ライニング層(保護層)が基材にしっかりと接着することで、防蝕(さびや腐食から保護すること)効果を維持するための重要な要素です。この密着性を確保するためには、下地処理が非常に重要です。下地処理には主に3つの要素があります:

  1. 下地の清掃
    • 基材の表面に付着した汚れ、油分、錆、浮き物などを除去します。これらは密着を妨げる要素で、高圧洗浄、ブラスト、サンドブラストなどの方法で清掃します。錆や浮き物はライニング層の劣化を早めるため、特に注意が必要です。
  2. 下地の粗さ
    • 基材の表面をある程度粗くすることで、ライニング層との接着面積を増やし、密着性を高めます。これは、研磨やブラストで調整されます。
  3. 下地の強度
    • 基材の強度が十分でないと、ライニング層の重量や圧力に耐えられず剥がれることがあります。これを防ぐためには、基材を補修材で補強するなどの方法があります。

化学物質を作用させ改質する化成処理もありますが、防食ライニングにおいてはケレンを行う事が主であり一般的です。

1.ケレンの目的

下地の表面をある程度粗くすることは、ライニング材料の密着性を高める上で非常に重要です。表面が滑らかすぎると、ライニング材料の十分な密着ができないため、以下の方法が一般的に用いられます。

  1. 研磨やブラスト処理
    • これらの処理により、下地の表面に微細な凹凸を作り出します。これにより、接着面積が増加し、ライニング材料が下地に密着しやすくなります。例えば、サンドブラストは砂粒を高速で吹き付けることで表面を粗くする方法です。
  2. 粗さの調整
    • 粗さの程度は、使用するライニング材料やその用途によって異なります。適切な粗さを選定することで、最適な密着性が確保されます。

2.ケレンの種類

種類処理した状態処理方法
1種ケレン旧塗膜や錆、黒皮(ミルスケール)を除去し完全に下地を露出させるブラスト・化成処理
2種ケレン錆びや旧塗膜の脆弱層を除去し鉄肌を露出させるディスクサンダー・カップワイヤー等の電動工具を中心とした作業
3種ケレン劣化部位の錆や旧塗膜の脆弱層を除去するが、活膜は残すワイヤーブラシ・スクレーパー・ケレン棒等の手工具を中心とした作業
4種ケレン汚れや紛化物を除去するワイヤーブラシ・サンドペーパー等の手工具で作業

ケレンにはブラストによる1種ケレンと、電動工具等で行う2種ケレン、ペーパー等による目粗し程度の3種ケレンといった種類があり、どれを選択するかで密着性に大きく影響があります。
金属表面の錆(サビ)を取り除く程度を示す尺度を除錆度といい、一般に、金属表面の錆をどのくらい除去したか、または除去できるかを評価するために使われます。これは、塗装や他の表面処理を行う前の金属の準備工程で重要です。除錆度が高いほど、表面はよりきれいで、塗料やコーティングがより良く密着し、長持ちします。逆に、除錆度が低いと、残った錆が塗装の品質を下げたり、将来的に錆の再発を引き起こす可能性があります。

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3.ブラスト処理による1種ケレン

ブラスト処理は、表面処理の一環として行われる工程で、特に金属表面の錆や旧塗膜、汚れなどを除去するために使用されます。ブラスト処理はケレンの中でも一般的な方法の一つで、以下の特徴があります。

3-1.ブラスト処理の概要
3-2.ブラスト処理の利点
3-3.注意点

ブラスト処理は、特に金属表面を処理する際に重要な工程であり、適切に行うことで、塗装やその他の表面処理の品質を大幅に向上させることができます。

4:電動工具による2種ケレン

電動工具による2種ケレンとは、表面処理の一環として行われる工程で、表面から錆や旧塗膜、汚れなどを除去するために用いられる方法です。このプロセスでは、電動工具を使用して効率的かつ効果的に表面を処理します。主に以下の二つのタイプがあります。

4-1. 電動ブラシによるケレン
4-2. 電動サンダーによるケレン
4-3.共通の利点と注意点

5:ペーパー等による目粗し3種ケレン

3種ケレンでは、活膜は残しますが、それ以外の錆や旧塗膜は除去します。

安定接着を重視したプライマーの条件

初期密着力が高い数値を示しても、密着力が速やかに低下し、早期に剥離するのは望ましくありません。重要なのは、長期間にわたって最低限の密着力を維持できる安定した接着力です。これが防蝕ライニングの耐久性に良い影響を与え、長期的な設備の維持を可能にします。

防蝕ライニングで求められるのは、時間の経過があっても維持される安定した接着力です。

1. 化学的結合の形成

2. 機能的改善

3. 環境要因への耐性

防蝕ライニング専用プライマー

弊社の考える理想のライニング用プライマーは、硬い剛性のあるものではなく、応力(ひずみ)を吸収できるフレキシブルな性質を理想として開発されています。

RS#125プライマー

RS#125プライマーは鉄面用の防蝕ライニング専用プライマーです。分厚い耐食材をライニングした場合に想定される様々な応力(ストレス)を緩和し、安定した長期密着を実現しています。

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RS#123プライマー

RS#123プライマーは、コンクリートやスレートのような多孔質基材や、鋼材の取り切れない錆に対しても積極的に浸透し固着する防蝕ライニング用プライマーです。多孔質部分を埋め、基材と一体化することで表面を強化し、長期的な安定接着を実現します。

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まとめ

防蝕ライニングの長期耐久性は、耐食性と防食性はもちろんのこと、下地との密着性にも依存します。品質の高い施工では下地処理に妥協せず、プライマー選択にも独自のこだわりを持ちます。当社は、初期の強い接着力よりも、安定した長期間の接着力を重視し、防蝕ライニング皮膜の耐久性を保つことを目指しています。

腐食から大切な設備を守る

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