目次
- はじめに
- RSJ#100エポキシFRPライニング工法とは?
2-1. RSJ#100エポキシフレーク樹脂の特徴
2-2. FRP工法のメリット
2-3. 他のライニング工法との比較 - RSJ#100エポキシFRP工法が求められる施工環境と用途
3-1. 求められる施工環境
3-2. 用途 - 施工する際の注意点
- まとめ
はじめに
FRPライニングは、樹脂を用いてガラス強化繊維に含侵固着させることで、軽くて丈夫な強化プラスチック膜をコーティングする防蝕工法です。この工法は、ガラス繊維の層を調整することで、厚みを自由に変えられる利点があります。
近年、耐久性と環境性・安全性を重視した施工方法の開発が求められている防蝕ライニング業界において、耐食性が高く、水中硬化性のあるエポキシ樹脂のRSJ#100をベースとしたエポキシFRPライニング工法は、従来のFRP工法に比べて、これらの要素を強化した防蝕ライニング工法となります。
(株)RSテックは、防蝕ライニング用樹脂の販売、防蝕設計、施工を一貫して行い、防蝕に関わるあらゆる問題解決を目指しています。お客様のニーズに合わせた最適な防蝕ソリューションを提供し、トータルサポートを通じて確かな安心をお届けします。
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この記事では、RSJ#100エポキシFRPライニング工法の基本的な構造と主な特徴、メリット、実際の利用事例を解説し、この革新的な工法の可能性について詳しく説明しています。
2. RSJ#100エポキシFRPライニング工法とは?
RSJ#100エポキシFRPライニング工法は、無溶剤の耐食性エポキシ樹脂を使用したFRP層に、RSJ#100エポキシフレークライニングを組み合わせた工法です。この工法は、FRPの強度とRSJ#100の特性を効果的に活用しています。
2-1. RSJ#100エポキシフレーク樹脂の特徴
RSJ#100エポキシ樹脂の特徴は以下のようになります。
- 湿潤環境・水中環境でも硬化する性質。
- 無機セラミック配合による防蝕性と耐摩耗性の向上。
- 酸性からアルカリ性まで幅広い化学薬品に対する耐食性。
- 一度の塗り工程で超厚膜施工が可能な作業性。
- 増粘剤の使用により現地でパテ材の作成が可能な現場対応性。
- 無溶剤で環境への負荷を最小限に抑える。
- 毒劇物取締法の対象外であり、安全性と保管性に優れる。
- 様々な母材との強固な安定密着性。
- 高い環境遮断性。
- 塗膜硬化時の変形が少なく、接着安定性が高い。
これらの特徴は、RSJ#100エポキシ樹脂が多様な用途で優れた性能を発揮することを示しています。
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2-2. FRP工法のメリット
FRP工法のメリットは積層回数により確実で均一な厚膜形成が可能になる事ですが、その他にも以下のような効果があります。
- 優れた防蝕性
FRPは、ガラス繊維に樹脂をしみ込ませて作られる複合材料です。ガラス繊維は強度と耐久性に優れ、樹脂は防水性と耐薬品性に優れています。そのため、FRPライニングは、水や化学薬品などの侵入を防ぎ、優れた防蝕性を発揮します。
- 高い耐久性
FRPは、ガラス繊維と樹脂の複合効果により、高い耐久性を備えています。ガラス繊維は、引張強度や圧縮強度に優れているため、構造物をしっかりと支えることができます。また、樹脂は、紫外線や熱、衝撃などに対しても耐性があります。
- 施工の自由度が高い
FRPは、さまざまな形状に対応できるため、施工の自由度が高いというメリットもあります。曲面や複雑な形状の構造物にも、シームレスに施工することができます。
2-3. 他のライニング工法との比較
耐食エポキシ樹脂RSJ#100を用いたFRP工法は、多様な基材に対して優れた密着性を提供します。湿潤や水中環境での硬化にも問題がなく、従来のポリエステルやビニルエステルベースのFRP工法では不可能だった特長を持っています。
RSJ#100をベースにした樹脂を使用してFRPライニングを施工する際のメリットは、上記の特徴から多岐にわたります。以下にそれらのメリットを解説します。
- 多様な環境での使用可能性:
- RSJ#100は湿潤環境や水中でも硬化する性質を持っているため、様々な環境条件下でFRPライニングの施工が可能です。これは、特に水周りの施工や湿度が高い場所での使用に非常に有効です。この特徴は一般的な他のライニング工法にはない特徴です。
- 高い耐久性:
- RSJ#100のベースとなっている樹脂を使用しているため、このFRP工法は、アルカリ性から酸性までの化学薬品に対して高い耐性を持ちます。これにより厚膜の耐食強化プラスチック塗膜が形成され、材料の長期的な劣化を防ぎ、維持管理コストを削減できます。
- 現場対応性:
- 増粘剤の使用によって現地でパテ材を作成できるため、現場の条件に合わせた柔軟な施工が実現します。これにより、FRP施工の素地調整段階での不陸調整や止水作業も効率的に一括で行えます。パテ材を別に購入する必要がありません。
- 環境負荷の軽減:
- 無溶剤であるため、環境への負荷を最小限に抑えることができます。一般的なポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と比較すると、臭気が少なく作業が可能です。
- 安全性と保管性:
- 毒劇物取締法の対象外であり、安全性と保管性に優れています。これにより、使用時のリスクが低減されます。
- 高い密着性と遮断性:
- 様々な母材に対する強固な安定密着性と高い環境遮断性を持っています。これにより、広範囲の用途での使用が可能となります。
- 長期安定接着性:
- RSJ#100の物性により塗膜硬化時の変形が少ないため、接着安定性が高く、長期間にわたって信頼性の高い性能を維持します。これは、FRP工法で得られる超厚膜形成において、一般的なポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂と比較しても有利な特徴の一つです。
これらのメリットは、RSJ#100を使用したFRPライニングが多種多様な産業や用途において、高い性能を発揮することを可能にします。
3. RSJ#100エポキシFRP工法が求められる施工環境と用途
3-1.求められる施工環境
RSJ#100エポキシFRPライニング工法が特に有効となる現場条件を以下に箇条書きでまとめます。この工法は、湿潤や水中での硬化特性、様々な基材への密着性、および高い強度が要求される厳しい環境での使用に適しています。
- 湿潤環境:
- 水処理施設、下水道、排水システムなど、常に湿潤状態にある施設。
- 海洋環境や沿岸部の構造物、桟橋、防波堤など。
- 既存施設のメンテナンスや補修を湿潤環境が想定される場合、または、その状況が避けられない場合
- 多様な基材への密着性が必要な場合:
- 旧塗膜や異なる材質の表面(コンクリート、金属、プラスチック等)の上に新しいライニングを施工する場合。
- 修復や改修が必要な既存の構造物。
- メンテナンスで強度が必要な状態の修復:
- 腐食や損傷により穴が開いたパイプ、タンク、槽。
- 穿孔した構造物の強度回復と防蝕保護。
- ひび割れが想定されるコンクリート構造物
- 化学薬品に晒される環境:
- 化学工場、石油精製プラント、バイオ燃料施設など。
- 酸、アルカリ、などに晒される環境。
- 環境性・安全性を重視される場合:
- 作業中の火災のリスクを軽減したい場合
- 臭気を気にする場合
- 摩耗や衝撃に強い保護が必要な場合:
- 荷重がかかるコンクリート施設や振動が予測される機械設備など
- 排水、薬液、汚水などが流れる環境や、攪拌作業による摩耗が予想される状況
3-2.用途
- 化学工業施設:
- 化学薬品の製造や取り扱いを行う施設では、耐薬品性と耐食性が必要です。RSJ#100は、酸性からアルカリ性までの化学薬品に対して高い耐性を持ち、これらの環境で理想的です。
- 水処理施設:
- 水処理施設や排水処理施設では、湿潤環境や水中での硬化能力が重要です。RSJ#100エポキシ樹脂はこれらの条件下でも効果的に機能します。
- 海洋・沿岸構造物:
- 塩水環境に晒される構造物には、高い耐蝕性と耐久性が求められます。この工法は、塩害から保護するのに適しています。
- 工業設備:
- 強度と耐久性が求められる工業施設や設備にも適用可能です。特に、摩耗や衝撃に強い保護層が必要な場所に有効です。
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4.施工する際の注意点
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5. まとめ
特殊エポキシ樹脂を使用したRSJ#100FRPライニング工法は、特に耐食性と強度が求められる環境に適しています。
RSJ#100エポキシライニング工法は湿潤環境や水中でも硬化する特性を持ち、無機セラミックの配合による防蝕性と耐摩耗性、広範囲の化学薬品に対する耐食性があります。FRP工法は積層回数により厚膜形成が可能で、高い強度と耐久性を実現します。この2つの工法を組み合せたRSJ#100エポキシFRPライニング工法は、耐食性の高い強化プラスチックの塗膜形成による、設備の長期保護を目的として構成されました。
この工法は、既存施設のメンテナンスや補修において特に有効で、湿潤環境や穿孔した構造物の修復、摩耗が予想される環境での使用が適しています。
この記事を通じて、RSJ#100エポキシFRPライニング工法の特徴とメリットをご理解いただけたことと思います。
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