海岸地域の塩害腐食対策に飽和ポリエステル粉体塗装が最適の理由、(株)RSテック

塩害腐食による問題は、様々な分野で非常に深刻となっています。設備の劣化や故障、交換コストの増加、さらには安全上のリスクなどがあります。そのため、海岸地帯における塩害対策は非常に重要です。飽和ポリエステルの粉体塗装で得られる塗膜は、塩害腐食に対する強力な耐性を持ち、金属の構造物を長期にわたり塩害から保護することが可能です

塩害は海から飛来する塩分が原因であり、塩分が含まれた水や湿気が金属と接触すると、金属表面で酸化反応が促進され、想定以上の速度で腐食が進行していく現象です。

海岸地帯における塩害対策は、設備の寿命を延ばし、安全性を確保するためにも非常に重要です。適切な防食対策を実施することで、設備の長寿命化と安全性の確保することができます。

飽和ポリエステル粉体塗装による耐塩害性は、三宅島沿岸での長期暴露試験でも

優れた防錆効果が実証されています。

「アルズコート」は、耐塩害性に優れ、密着性、塗着効率、耐久性、環境性にも優れた飽和ポリエステル粉体塗装です。沿岸地域における金物関係の製品の塩害対策に最適なコーティングとして、幅広くご利用いただけます

飽和ポリエステル粉体塗装「アルズコート」の詳細を以下のリンクから確認できます。

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飽和ポリエステルで塩害対策するメリット

金属構造物の塩害対策では、飽和ポリエステルの粉体塗装を実施することで、耐候性が高く、塩害腐食に強い塗膜形成が可能で、塗膜が摩耗してしまうことも最小限に抑えることができます。つまり長期的に防食効果を維持することが可能になります。

飽和ポリエステル粉体塗装の改善効果とメリット

  1. 耐久性が高い :
    • 飽和ポリエステル粉体塗装は、塗料の中でも特に耐久性が高く、外部環境に対する耐性があります。そのため、塩害が発生する海岸地域や海洋環境においても、腐食による劣化を限りなく遅延することができます。
  2. 環境に優しい:
    • 飽和ポリエステル粉体塗装は、有害物質を含まず、環境に優しい塗料です。
  3. 薬品耐性:
    • 飽和ポリエステルは、特に酸性環境に耐性があり、温泉地帯や火山地帯の腐食対策として使用が可能です
  4. 施工の効率化:
    • 飽和ポリエステル粉体塗装は、静電気を利用して塗料を吹き付ける静電塗装法、または流動浸漬法による連続作業ができ、同形製品の量産に適しています。また、塗布効率が高く、1度に300µ~1000µといった厚膜形成が可能です。

飽和ポリエステル粉体塗装には、耐久性や環境に優しい性質、施工の簡便性など、様々なメリットがあります。

亜鉛メッキと飽和ポリエステルの二重防食

溶融亜鉛メッキとは

溶融亜鉛メッキは、金属に亜鉛をめっきする一種の表面処理方法です。この処理方法は、金属を亜鉛溶液に浸漬してから、冷却することによって、金属表面に亜鉛の膜を形成します。この処理により、金属表面は亜鉛の膜で覆われるため、腐食や摩耗から保護され、耐久性が向上します。

溶融亜鉛メッキは、鋼鉄などの金属材料に広く使用されています。また、溶融亜鉛メッキには、「低コストである」、「長期的に保護が持続する」、「多少乱雑に扱っても剥がれない」といったメリットがあります。

溶融亜鉛メッキの特長

溶融亜鉛メッキの防食効果には、以下のような特徴があります。

  1. 防食効果が高い
    • 溶融亜鉛メッキによって形成される亜鉛膜は、金属表面を完全に覆っているため、腐食や摩耗から金属を保護する効果が高く、長期的な耐久性があります。
  2. 自己修復効果
    • 溶融亜鉛メッキは、微細なキズや剥離が生じた場合でも、自己修復することができます。これは、亜鉛膜の表面に亜鉛酸化物が形成され、その酸化物が再び亜鉛と反応して亜鉛膜を形成することにより、自己修復するためです。
  3. 熱耐性
    • 亜鉛は高温にも耐性があり、溶融亜鉛メッキによって形成される亜鉛膜は高温下でも安定し、耐熱性があります。

溶融亜鉛メッキと飽和ポリエステル粉体塗装の組み合せ

溶融亜鉛メッキと飽和ポリエステル粉体塗装を組み合わせることにより、2重の防食効果を得ることができます。

溶融亜鉛メッキの「防食性能」と「犠牲防食性」に、飽和ポリエステルの「密着性の良さ」、「耐塩害性」や「耐薬品性」、「外観の着色やツヤ」を重ね合わせることができます。

このような多重防食仕様するメリットは以下の通りです。

  1. 長期的な耐久性
    • 溶融亜鉛メッキによって形成される亜鉛膜は長期的な耐久性がありますが、飽和ポリエステル粉体塗装を加えることで、その耐久性をより強化することができます。
  2. 美観性の向上
    • 飽和ポリエステル粉体塗装は、色や質感を自由に選択できるため、美観性を向上させることができます。
  3. 汚れの防止
    • 飽和ポリエステル粉体塗装は表面が滑らかで、汚れが付きにくい特徴があります。これにより、表面の清掃やメンテナンスが容易になり、防食効果をより長期間維持することができます。
  4. 膜厚の増加
    • 当然ながら溶融亜鉛メッキの厚みに加え、飽和ポリエステルの厚膜塗膜が重なるため、保護したい母材表面との距離が増すため耐用年数は飛躍的に向上します。

溶融亜鉛メッキと飽和ポリエステル粉体塗装の組み合わせによって、耐久性や美観性など、様々なメリットを得ることができます。また、ステンレスの上に飽和ポリエステル粉体塗装をすることも可能です。

ステンレスと飽和ポリエステルの密着性と組み合せ

ステンレス鋼の耐食性と飽和ポリエステル粉体塗装の組み合わせは、非常に高い防食効果を持ちます。まず、ステンレス鋼自体は、その合金元素(特にクロム)のおかげで優れた耐食性を持っています。クロムは鋼の表面に不動態膜を形成し、酸素や水分などの腐食要因から金属を保護します。

しかし、塩分(主に塩化ナトリウム)の存在は、この保護膜を損傷し、金属の腐食を促進する可能性があります。特に、海岸地域など、塩分濃度が高い環境では、ステンレス鋼の表面に塩分が付着し、錆(特に孔食や応力腐食割れ)を引き起こすリスクが高まります

ステンレス鋼も状況によっては錆びることがあります。特に、塩分や酸性物質の存在下での長期間の曝露は、ステンレス鋼の不動態膜を損ない、錆の原因となり得ます。また、機械的な損傷や溶接などによっても、不動態膜は破壊される可能性があります。

ここで飽和ポリエステル粉体塗装の役割が重要になります。

通常ステンレス鋼は、その性質により塗料の密着が難しいですが、飽和ポリエステル粉体塗装は、優れた密着性を提供し、ステンレス表面に強固に結合します。この塗膜は、ステンレス鋼の表面をさらに保護し、腐食要因から隔離します。

ステンレス鋼と飽和ポリエステル粉体塗装の組み合わせは、耐食性を高め、環境要因による損傷を軽減し、長期的な経済的利益をもたらします。

また、温泉地域や火山地帯の環境も特有の腐食環境があり、飽和ポリエステル粉体塗装「アルズコート」は、このような腐食環境からの環境遮断と腐食対策に効果的です。

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塗膜の厚さと密着力は耐用年数に関係します

一般的に塗膜の劣化は、塗膜表面から腐食要因となる物質が塗膜内に透過(浸透)し、経年で素地に到達しますが、すぐに塗膜が破壊されるわけではなく、塗膜と素地との密着力で遅延ができます。

塗膜の劣化プロセスの解説と、塗膜の耐用年数の関係性について別の記事でまとめています。以下のリンクから確認できます。

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防食で「厚膜にすること」と「密着力の良さ」は、耐用年数に大きく影響します。飽和ポリエステル粉体塗装は、その塗着効率の良さで300µ~1000µといった厚膜形成が1度に得ることができ、優れた密着性が特徴の塗装方法です。

まとめ

「アルズコート」とは、耐塩害性に優れた飽和ポリエステル粉体塗装で、特に沿岸地域において海水による塩害から金属製品を保護するために有効です。海岸地域では、塩分による金属の腐食が一般的な問題であり、これに対処するために「アルズコート」の採用が効果的です。

飽和ポリエステル粉体塗装は、溶融亜鉛メッキやステンレス鋼といった、通常は塗料の密着が困難な材料に対しても優れた密着性を提供します。溶融亜鉛メッキは、金属に亜鉛の層をコーティングすることで保護し、ステンレス鋼はその自身の耐食性により保護しますが、これらの材料に「アルズコート」を追加することで、保護効果がさらに強化されます。

特に、溶融亜鉛メッキやステンレス鋼と「アルズコート」を組み合わせることによって、多重防腐効果が得られ、海岸地域での金属製品の耐用年数が大幅に向上します。このように、「アルズコート」は、海水からの塩害に対して長期的な保護を提供し、金属製品の耐久性と性能を維持するのに効果的な解決策です。

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