防液堤をはじめとするコンクリート構造物のメンテナンス材料にはRSJ#100をお勧めする理由

化学工場の安全対策に不可欠な防液堤は、日々取り扱う薬品や廃液に対する最終的な防衛線です。防液堤は一般的にはコンクリート構造で、時間の経過と共に自然と劣化し、薬液や排水などの影響でその進行が加速することもあります。そのため、定期的なメンテナンスはコンクリート構造物の長期的な保全には欠かせません。

外部に液が漏れ出ることを阻止する防液堤は、様々な腐食や劣化要因に立ち向かうため、塗装ではなく、より強固な塗膜を有する防蝕ライニングの施工が求められます。ミクロン単位の薄膜ではなく、ミリ単位の厚膜の耐食材料でコーティングすることで、防液堤を長期で維持することが可能となります。

RSJ#100エポキシライニング工法は、その幅広い薬品耐性と優れた水中硬化性を備え、新設の設備はもとより、補修やメンテナンスのような、すでに劣化や腐食が進んでしまっているコンクリートの構造物に対し、特徴を生かした作業性と、高い水準の環境遮断性や躯体強化を可能にしています。

この工法は、防液堤のメンテナンスに必要な耐久性と保護性を提供し、工場の安全と運用の継続性を支えるための選択の一つです。

ぜひ参考にしてください。

防液堤とは

防液堤(ぼうえきてい)は、化学工場や石油化学プラント、薬品製造工場などで見られる安全設備の一つです。これらの施設では、有害または危険な液体を扱うため、漏れや事故が発生した際にその液体が工場外へ流出しないようにするための措置が不可欠です。防液堤は、そうした液体が外部環境へ漏出するのを防ぐために設置されます。

具体的には、防液堤は通常、コンクリートやその他の耐薬品性材料で作られた壁や堤防の形をしており、タンクや容器が置かれているエリアを取り囲むように設計されています。何らかの理由で液体が容器から漏れ出した場合、この堤防が液体を内部に閉じ込め、さらに広がるのを防ぎます。防液堤の設計には、保持する液体の量や種類、潜在的な危険性などを考慮して、適切な高さや厚み、そして材質が選ばれます。

防液堤メンテナンスの重要性

防液堤のメンテナンスは非常に重要であり、定期的な検査と補修が必要とされています。コンクリートの劣化やクラック、腐食などが起こりうるため、これらの問題を未然に防ぐためには、耐薬品性が高く、環境に対する保護効果を長持ちさせるような防蝕ライニングが施されることが一般的です。特に、防液堤に使用されるライニング材は、薬品耐性だけでなく、物理的強度も考慮され、過酷な条件下でもその性能を保つよう設計されています。

環境保護の観点からも、防液堤は極めて重要な役割を果たしており、万が一の液体漏れが発生した場合でも、それが近隣の土地や水路へ影響を与えないようにするための最終防衛線として機能します。

防液堤の防蝕メンテナンス

化学工場やプラントの重要な安全設備である防液堤は、継続的な保護が必要です。防液堤の腐食や劣化を防ぐためには、高い防蝕性能を持つ材料を使用して、厚くて強靭な塗膜でコンクリート表面を覆うことが重要です。

屋外の防液堤やコンクリート設備の補修とメンテナンスにおいては、施工環境の制約があるため、予期せぬ湿潤環境やコンクリートの損傷を含むあらゆる事態に備えた適切な材料、工法の選定が、防液堤メンテナンスの成功の鍵となります。

RSJ#100エポキシライニング工法の優位性

湿潤環境下での硬化不良や密着不良は、防蝕ライニングにおける一般的なリスクとなります。コンクリートの多孔性構造は、水分の出入りを常に許し、特に既存の防液堤の補修やメンテナンス時には、この水分が施工環境を複雑にします。旧塗膜の除去に伴い露わになる水分は、防蝕ライニングの一般的な従来の方法では硬化と密着の面で問題を引き起こす可能性が高いとされます。

しかし、RSJ#100エポキシライニングは、このような厳しい条件下でも信頼性の高い硬化を実現します。湿潤環境であっても安定した品質を提供し、防液堤の機能を長期にわたって保持することができるため、修理やメンテナンスにおいて優位性があるといえます。

RSJ#100エポキシライニング工法が防液堤の防蝕ライニングにおいて、求められる多様な要件に適応可能であることを以下の表が示しています。

必要条件RSJ#100エポキシライニングの対応
化学的耐性幅広い耐薬品性を持ち、広範な化学物質に耐性があります。
物理的耐性樹脂に無機セラミックを大量に配合することにより、その乾燥塗膜は機械的衝撃や摩耗、温度変化に対して耐久性が向上しています。
密着性強固な接着力と、硬化の際に生じる変形率が低いことから、長期にわたって剥がれにくい
水中硬化性湿潤環境下でも水中でも問題なく硬化し、不測の事態にも対応ができます。
適応性現場で粘度コントロールすることで、エポキシパテを自作することができます。不陸調整やヒビの補修、穴埋めなど柔軟性のある施工が可能です。
施工性FRPの貼付け積層工程や、脱泡、バリ取りなどを省略し、フレーク材料を使用した塗装工程では、一回の工程で厚膜塗装が可能です。
経済性長期的なメンテナンスコストを削減
安全性人体や環境に対して安全です。RSJ#100は無溶剤の有害物質を含まない耐食材料です。
修復可能性損傷時の修復が容易で、部分的な補修が可能

RSJ#100エポキシライニングの施工

RSJ#100は、無溶剤で2液型のエポキシライニング材料です。この材料は、厳選された成分を絶妙な比率で組み合わせることにより、水中での硬化や広範囲の薬品に対する耐性を持つ独特の物理特性を発揮します。さらに、無機セラミック材料を用いた独自の製法により、塗膜内に均一に配列されたセラミックが薬液の透過を防ぐ高度な防蝕塗膜を形成します。

1:コンクリートの劣化・損傷部分を修復

液漏れをしたことがあるコンクリートはすでに経年劣化や腐食が進行している状態にあります。RSJ#100は自由に造形できることから。割れた部分には充填し、損傷した部分には、樹脂で復元するといったことが可能です。

2:弱ったコンクリート自体を補修、強化が必要となります。

RSJ#100エポキシライニングの施工で使用する専用プライマーは、積極的にしみ込んで固着するタイプのプライマーです。コンクリートに1mm程度しみ込んだ層は、躯体と一体化し強固なものになります。

躯体強化 RS#123プライマー

RSJ#100の施工で使用する専用プライマーは、積極的にしみ込んで固着するタイプのプライマーです。コンクリートに1mm程度しみ込んだ層は、コンクリートと一体化し、その躯体は強固なものになります

RSJ#100湿潤環境の施工

湿潤環境の損傷部修復状況

水溜まりが乾かない状況は、メンテナンスにおいてよくある事です。

水中硬化性があることで、不測の事態にも対応可能です。

RSJ#100エポキシ耐蝕材料の性能

優れた耐薬品性

RSJ#100の耐薬品性能 

樹脂に必要な物性としては、工場で取り扱う薬液や廃液に対して、強い薬品耐性のある塗膜構成であることが必要です。

表は浸漬試験による耐性参考資料です。

RSJ#100の防蝕バリア構造

RSJ#100塗膜バリア構造

RSJ#100は、材料に特殊配合された無機セラミックにより、塗膜内に腐蝕要因物質が、透過しにくい配列構造を形成し、優れた防蝕性を有します。

RSJ#100の優れた接着性

アドヒージョン試験機による引張試験

治具(ドーリー)を引き抜いたとき、塗膜からではなくコンクリートごと破壊して取れてます。

十分な接着が確認できます。

強度が必要な場合はRSJ#100エポキシFRPライニング

RSJ#100エポキシFRPライニング工法は、無溶剤の耐食性エポキシ樹脂を使用したFRP層に、RSJ#100エポキシフレークライニングを組み合わせた工法です。この工法は、FRPの強度とRSJ#100の特性を効果的に活用しています

RSJ#100エポキシFRPライニングの詳細は別の記事で解説しています。

まとめ

安全対策設備の要である防液堤は、腐食や劣化によりその機能を損なうリスクがあります。特に、経年劣化が進むコンクリート構造物では、この問題は避けられません。防蝕ライニングは、こうした防液堤の経年による損傷を防ぎ、長期的な安全性を保持するための重要な手段となります。

特に、腐食や劣化が進行し、強度が低下しているコンクリート構造物においては、RSJ#100エポキシライニング工法の特徴が発揮されます。この特殊エポキシ樹脂は、優れた遮断性能で腐食や劣化環境から構造物を保護し、水中でも硬化しやすく、強固な接着力を発揮します。これにより、予期せぬ施工環境やメンテナンス時の困難な状況にも対応が可能となり、防液堤の保護と長期的な安全性が実現します。

RSJ#100エポキシライニングの資料請求や、ご質問等ありましたらお気軽にお問合せ下さい。

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