廃液処理施設の防蝕ライニング:pH値と耐蝕材料の重要性

防蝕ライニングは廃液処理施設における長期的な設備保全に不可欠です。本稿では、pH値の監視がなぜ重要なのか、そして最適な耐蝕材料を選ぶ際の考慮点について詳しく説明します。

pH値は廃液の酸性またはアルカリ性を示し、防蝕材料の選定において重要な指標となります。化学工場や廃液処理施設では、さまざまな化学薬品と腐蝕環境に対応するため、耐蝕性材料の選択が設備の長期維持を可能にする鍵となります。

(株)RSテックは、防蝕ライニング用樹脂の販売、防蝕設計、施工を一貫して行い、防蝕に関わるあらゆる問題解決を目指しています。お客様のニーズに合わせた最適な防蝕ソリューションを提供し、トータルサポートを通じて確かな安心をお届けします。

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pHとは?

pHの測定は、化学反応の制御、水質の監視、食品の安全性の確保、医学的な診断など、多くの科学的、工業的、環境的な分野で重要です。

工場から出る廃水

廃水とは、排水処理を行ってもなお、有害物質が含まれていて、環境に悪影響を与える可能性がある水を指します。具体的には、重金属、有機物、酸・アルカリ物質などが含まれる排水が廃水に該当します。廃水は、排水処理だけでは有害物質を完全に除去できないため、より高度な処理が必要です。

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廃液処理設備に幅広い薬品耐性が必要な理由

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廃液処理設備の防蝕材料選定

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耐蝕材料の選定ポイント

耐食材料を適切に選定するためには、使用環境や薬品の性質を正確に把握することが不可欠です。特に化学工場や廃液処理設備などでは、さまざまな腐食要因が複合的に作用するため、単一の視点では十分な防蝕性能を確保できません。以下に、耐食材料選定時に考慮すべき主なポイントを示します。

中性pH値の落とし穴

これらの薬品は有害物質の分解や酸化処理に効果的である一方で、防蝕材料にとっては強い酸化ストレスとなり、劣化を早める原因になることがあります。たとえpH値が中性に調整されていたとしても、こうした化学成分の影響により予期せぬ腐食や塗膜の損傷が発生する可能性があるのです。

したがって、防蝕設計を行う際には、pH値だけでなく使用される中和剤の化学的特性や、残留薬品の影響まで考慮した材料選定とメンテナンス計画が重要となります。

廃液の耐性確認

実際の廃液の完全な化学的組成を把握するには、高度な分析装置と専門的な技術が必要です。これが、実際の廃液にサンプルを浸漬する耐腐食テストが採用される一因です。実際の廃液での耐性確認により、予測不能な要素に対する材料の耐性を確認できるため、より現実的な耐性評価が可能となります。

廃液の耐性確認ができたら、ライニング工法を選択する必要があります。

廃液に最適なライニング工法を選択するポイント

廃液処理設備においては、使用環境に適したライニング工法を選定することが、腐食リスクの低減と設備の長寿命化に直結します。以下のポイントを総合的に評価することが重要です。

1. 廃液の種類

流体の性状
 液体の流速や構造上の変化により、乱流や局所的な圧力変化が生じる場合があります。

摩耗の有無
 固形分を含む廃液では、擦れやすり減りによる摩耗劣化に対する耐性が求められます。

衝撃性
 固形物が槽壁に衝突するような環境では、衝撃吸収性を持つ材料の選定が必要です。

温度および温度差
 高温廃液や、鋼製槽で外気との温度差が大きい場合は、熱膨張への対応耐熱性が求められます。

2. 既存設備の状態

3. その他

  1. コストバランス
  2. 施工性
  3. 耐用年数

防液堤の防蝕ライニングの必要性

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耐蝕エポキシ樹脂ライニング材料のご紹介

工場廃水設備は、多種多様な化学薬品に晒されるため、そのメンテナンスには特別な注意が必要です。RSJ#100エポキシライニングはアルカリ性から酸性までの幅広い薬品に対する高い耐性を持ち、工場廃水設備の保護において不可欠な役割を果たします。

耐蝕性エポキシ樹脂 RSJ#100の特長

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その他の耐食材料と工法

RSテックでは、使用環境や腐食要因に応じて、各種耐食樹脂と防蝕ライニング工法を組み合わせ、最適な防食対策をご提案しています

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まとめ

工場排水の腐食性問題を効果的に対処するためには、広範囲にわたる化学物質に対する高い耐性を持つ防蝕材料の選択が不可欠です。複雑な化学組成を持つ廃液への対策として、実液浸漬試験や実設備への部分施工による耐性検証は非常に有効な手段となります。

これにより、実際の運用環境での材料の耐久性が最も正確に評価されます。さらに、設備メンテナンスにおいては、既に劣化している可能性のある設備の状態を考慮し、施工性と補修性を重視した防蝕対策が求められます。

腐食から大切な設備を守る

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