
コンクリート構造物は、酸性雨、化学薬品、塩害などの過酷な環境条件にさらされることで劣化が進行し、構造物の安全性や寿命に大きな影響を与えます。そのため、適切な防蝕対策を行うことが極めて重要です。
特に近年、株式会社RSテックが提供する「樹脂モルタル」を活用した防蝕ライニングが注目されています。樹脂モルタルは、使う樹脂によって高い耐久性、優れた耐薬品性、そして強力な接着性を持ち、従来の防蝕方法と比べて大幅な耐用年数の延長が期待できます。

本記事では、RSテックのRSJ#100耐食エポキシ樹脂モルタルによるコンクリート防蝕の基本的な知識から施工ポイント、さらに耐久性をアップさせる秘訣について詳しく解説します。
(株)RSテックは、防蝕ライニング用樹脂の販売、防蝕設計、施工を一貫して行い、防蝕に関わるあらゆる問題解決を目指しています。お客様のニーズに合わせた最適な防蝕ソリューションを提供し、トータルサポートを通じて確かな安心をお届けします。
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樹脂モルタルとは?
樹脂モルタル(レジンモルタルまたはレジモル)とは、樹脂成分と砂を混合して製造される特殊なモルタルです。通常のセメントモルタルはセメントと砂、水を混ぜて作られますが、樹脂モルタルは水の代わりに樹脂成分を使用するため、耐食性、密着性、強度において非常に優れています。 通常のモルタルでは打継ぎ部分の接着が難しいですが、樹脂モルタルであれば、打継ぎ箇所にもある程度の密着性を確保することが可能です。

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一般的な樹脂モルタルとセメントモルタルの性能比較表は以下の通りです
比較項目 | 樹脂モルタル | 一般的なセメントモルタル |
---|---|---|
主な材料 | 樹脂+砂+骨材 | セメント+砂+水 |
耐食性 | ◎ 使用する樹脂の耐蝕性・防食性が付与 | △ 酸に対する耐食性が低い |
接着性・密着性 | ◎ コンクリートや鋼材に強力に密着、打ち継ぎ部の密着性も高い | △ 打ち継ぎ部の密着が難しく、接着性が劣る |
強度・耐久性 | ◎ 強度が高く、耐摩耗性にも優れる | △ 圧縮強度は高いが引張強度は低い |
施工性 | △ 使用する樹脂によって専門的な知識・技術が必要 | 〇 一般的な技術で容易に施工可能 |
硬化時間 | ◎ 短時間で硬化(数時間~1日) | △ 長時間を要する(数日~数週間) |
コスト | △ 比較的高価 | 〇 比較的安価 |
RSJ#100エポキシ樹脂モルタルの特徴とメリット

RSJ#100特殊エポキシ樹脂は本来、防蝕ライニング材として設計された耐食材料ですが、現場において必要となる不陸調整や欠損部の穴埋めといった下地補修用途にも活用することができます。
RSJ#100を使用して現地で樹脂モルタルを製作することで、防蝕ライニングと下地補修の両方を一体的に施工することが可能となり、工期短縮と施工品質の向上を同時に実現できます。また、樹脂モルタルとして施工することで、極厚の保護層を形成することができ、耐久性のさらなる向上にも寄与します。
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RSJ#100エポキシ樹脂モルタルは、特に厳しい環境での使用を目的として開発された樹脂モルタルです。コンクリート表面の保護性能に加えて、補修や耐久性向上にも効果的で、耐薬品性や耐久性が求められる産業施設などの重要な設備に多く採用されています。

- 優れた耐薬品性
- RSJ#100は硫酸や塩酸、苛性ソーダをはじめとした多くの化学薬品に対して高い耐性を発揮します。
- 優れた接着力と密着性
- RSJ#100は水中や湿潤環境下でも硬化に問題がなく、施工環境を選ばずに安定した品質を維持できます。ただし、濡れた表面での接着力は乾燥時と比べて低下するため、接着強度が求められる場合は施工面を可能な限り乾燥させることが推奨されます。湿潤状態や水中施工が可能なため、悪条件下でも安定した施工品質を維持できます。
- 水中・湿潤環境での硬化性
- RSJ#100は湿潤環境や水中でも確実に硬化する特性を持っており、水たまりが乾かない状況や不測の湿潤条件下でも施工が可能です。
- 高い機械的強度と耐摩耗性
- 通常のモルタルに比べて非常に強度が高く、耐荷重性や耐摩耗性にも優れており、工場や化学プラントなどの過酷な環境での長期使用に適しています。
- 優れた防水性能
- 密着性が高く、高密度な塗膜を形成するため、水分や有害物質の侵入を防ぎ、構造物の寿命を延ばします。
RSJ#100耐食樹脂モルタルの施工ポイント

- 下地処理の徹底
- 施工面の劣化や損傷部分を修復し、清潔で適切な状態にします。RSJ#100は割れた部分の充填や損傷部分の復元も可能です。
- 専用プライマーの塗布
- RSJ#100の密着力を最大限に引き出すため、専用のプライマーを塗布します。このプライマーはコンクリートに浸透し、躯体と一体化して強固な基盤を形成します。
- 湿潤環境での施工
- RSJ#100は湿潤環境や水中でも硬化可能で、不測の事態にも対応できます。水たまりが乾かない状況でも施工が可能です。
- 適切な施工厚の確保
- コテなどを使用し、施工厚が一定になるよう丁寧に施工します。RSJ#100は無溶剤の2液型エポキシライニング材料であり、無機セラミックを配合した優れた防蝕塗膜を形成します。
- 十分な養生時間の確保
- RSJ#100は完全硬化までの養生時間を確保することで、その性能を最大限に発揮します。
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耐久性アップの秘訣
数ある樹脂モルタルの中でも、特にRSテックが提供するRSJ#100エポキシ樹脂を採用した樹脂モルタルは、その優れた耐食性によって抜群の性能を発揮します。RSJ#100エポキシ樹脂は、酸やアルカリ、塩分などの腐食要因からコンクリートや鋼材をしっかり保護し、高い密着性と優れた耐久性を併せ持つため、過酷な腐食環境下でも長期間にわたり基材を守り続けることができます。

特に過酷な腐食環境や水中硬化性が求められる特定の補修用途では、砂・骨材を混入して樹脂モルタルとして使用できるほか、それ以外の一般的な腐食対象には砂・骨材を入れず、防蝕ライニング用の樹脂としても柔軟に使い分けることが可能です。このため、基材の補修と防蝕ライニングを一括して行うことができ、施工効率と防蝕性能の向上に貢献します。

- 用途に応じた適切な材料選定
- 環境条件に最も適した材料としてRSJ#100を選ぶことで、長期的な耐久性向上が見込めます。
- 防蝕ライニングと補修の一体施工
- RSJ#100は本来、防蝕ライニング材として設計された耐食材料ですが、現場において必要となる不陸調整や欠損部の穴埋めといった下地補修用途にも活用できます。RSJ#100を使用して現地で樹脂モルタルを調合することで、防蝕ライニングと下地補修の両方を一体的に施工することが可能となり、工期短縮と施工品質の向上を同時に実現できます。また、樹脂モルタルとして施工することで、極厚の保護層を形成することができ、耐久性のさらなる向上にも寄与します。
- 施工環境の適切な管理
- 温度や湿度を一定に保つことで、樹脂モルタルの性能を安定させ、高品質な施工が可能です。
- 定期的なメンテナンス
- 施工後も定期的に点検を実施し、早期発見・早期補修を徹底することで、構造物の長寿命化につながります。
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RSテックのRSJ#100エポキシ樹脂モルタルは、防蝕性能、施工性、そして長期耐久性において非常に優れた材料です。下地補修から防蝕ライニングまで一体で対応できる柔軟性と、過酷な環境にも耐えうる高性能な物性により、化学プラントや海洋施設など、重要なインフラの保護に最適です。防蝕対策の信頼性を高めたい現場において、RSJ#100は確かな選択肢となります。用途に応じて最適に活用することで、資産価値の維持とライフサイクルコストの低減にも大きく貢献します。
腐食から大切な設備を守る:
(株)RSテックは、防蝕ライニング専用の樹脂販売、防蝕設計、各種防蝕ライニング施工まで、一貫したサービスを提供しています。お客様のニーズに最適な防蝕対策をトータルにサポートいたします。
主なサービス内容
- 防蝕ライニング専用樹脂の販売
- 豊富な種類と実績から、最適な樹脂をご提案。ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂
- 高性能・高耐久な樹脂で、設備を長期的に保護
- 防蝕設計
- 腐食環境や設備の用途に合わせた最適な設計
- 専門知識と経験に基づいた、確実な防蝕対策
- 各種防蝕ライニング施工
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防蝕対策に関するご相談は、(株)RSテックにお任せください。専門スタッフが、お客様のニーズに最適なソリューションをご提案いたします。
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