
湿潤環境での防蝕メンテナンスは、従来の一般的な樹脂ライニング材料では硬化不良や密着不良、さらには塗膜の膨れなどのリスクが伴うため、通常は避けるべき施工条件とされています。しかし、現場では突発的な漏水や結露などにより、完全な乾燥状態を確保できないケースも少なくありません。
RSテックが提供する「RSJ#100エポキシライニング技術」は、そうした不測の事態にも柔軟に対応できる特性を備えています。湿潤面に対しても一定の密着性と硬化性を確保できるため、予期せぬ現場条件でも作業を止めることなく、品質を保ちながら施工を進めることが可能です。
もちろん、基本は乾燥状態での施工が推奨されますが、RSJ#100のような信頼性の高い材料を「引き出し」として備えておくことで、現場対応力が大きく向上し、トラブル時のリスク低減や工程の柔軟化にもつながります。予測不能な施工環境に備えるための“安心の選択肢”として、RSJ#100は大きな価値を発揮します。
現地での施工環境は事前の調査だけでは把握しきれないことが多く、実際に作業を開始して初めて、想定外の状況が明らかになるケースも少なくありません。特に湿度が高い場所や水回り設備のメンテナンスでは、予定通りに工程を進めることが困難になることもあります。こうした不確実性を前提とした施工計画と、それに対応できる柔軟な材料選定が、安定した品質とスムーズな工事進行の鍵となります。

(株)RSテックは、防蝕ライニング用樹脂の販売、防蝕設計、施工を一貫して行い、防蝕に関わるあらゆる問題解決を目指しています。お客様のニーズに合わせた最適な防蝕ソリューションを提供し、トータルサポートを通じて確かな安心をお届けします。
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防食作業では効率と耐久性の向上に適切な材料選びが不可欠です。RSJ#100エポキシライニングは、厳しい環境に特化して開発された材料で、信頼性の高いメンテナンス性を提供します。この革新的なライニング材料は湿潤環境にも適応し、品質を維持しながら長期的な保護を実現します。
湿潤環境とは
防食ライニングを行う際に問題となる「湿潤環境」とは、施工対象の表面に水分や湿気が含まれている状態のことを指します。これは、明らかに水が付着している状態だけでなく、空気中の湿度が高いために表面が湿っている場合も含まれます。
こうした環境では、材料の密着性や硬化反応に悪影響を及ぼす可能性があり、十分な防食性能を発揮できない恐れがあります。以下に、防食ライニング施工において特に注意すべき湿潤環境の例を紹介します。
防蝕工事でよくある湿潤環境
- 毛細管作用:
- 地下水は、コンクリートやモルタルの細孔を介して毛細管作用により上昇します。コンクリートは多孔質の材料であり、細かな孔が多く存在しているため、水分を吸い上げる能力があります。地下水位が高い場所では、この毛細管作用によって水分が建物の基礎や壁に上昇し、時には地表に近い部分で水が染み出る原因になります。
- 水圧:
- 高い地下水位は、コンクリート構造物に対する水圧を増加させます。水圧はコンクリートの細孔やひび割れを通じて力を及ぼし、水分を構造物内部へと押し込むことがあります。この圧力は、地下構造物の防水システムに大きな負担をかけます。
- 浸透圧:
- 水分が土壌からコンクリート内部へと浸透すると、塩分などの溶解した物質が濃度の低いコンクリート内部へ移動しようとします。この浸透圧もまた、コンクリート内部への水分の侵入を促進する一因となります。
- コンクリートの劣化:
- コンクリート内部への水分の浸透は、アルカリ性のコンクリート材料と反応し、劣化や腐食の原因となり得ます。特に、鉄筋が露出している場合は、錆の発生と鉄筋の腐食を促進します。
- 凍結融解サイクル:
- 寒冷地では、浸透した水分が凍結し、氷が膨張することでコンクリート内部に応力を生じさせます。これにより、ひび割れが生じやすくなり、融解時にさらに多くの水が侵入する原因となることがあります。
- 水道管や下水管の漏水:
- 建物内外の配管からの漏水は、コンクリートや塗膜の下に液体を溜め込む原因となります。特に、老朽化した管の破損による水の侵入はよくある問題です。
- 内部結露が生じやすい環境:
- 温度変化によって構造物の内部に結露が生じることがあります。これは特に、断熱が不十分で内外の温度差が大きい場所で見られます。
結露のメカニズム
防蝕工事において、意外と見落とされがちなのが「結露」の発生です。結露は単なる水滴の問題ではなく、防蝕ライニングの密着不良や硬化不良といった施工トラブルの大きな原因となるため、事前の理解と対策が重要です。

- 空気の湿気:
- 空気は一定量の水蒸気を含んでおり、その量は温度によって変わります。暖かい空気は冷たい空気よりも多くの水蒸気を保持できます。
- 温度変化:
- 冷たい外気が暖房された室内と接触するか、または逆に室内の暖かい空気が冷たい外部構造物と接触すると、空気の温度が下がります。
- 露点の到達:
- 空気が冷却されると、その露点(空気が保持している水蒸気が凝結して露(水滴)に変わる温度)に達しやすくなります。露点に達すると、水蒸気は液体の水に変わります。
- 断熱の不足:
- 壁や屋根などの構造物が十分な断熱性能を持っていない場合、内部の暖かい空気が構造物を通じて外部の冷たい表面に達し、そこで冷却されて結露を生じます。
湿潤環境がライニングに与える影響
防蝕ライニングは、乾燥した適切な施工環境で最大の性能を発揮します。しかし、実際の現場では雨天後の濡れた表面、湿度の高い地下設備、結露が発生しやすい構造部など、湿潤環境に直面するケースも少なくありません。こうした状況下では、ライニング材の性能や仕上がりに大きな影響を及ぼすため、慎重な対応が求められます。
湿潤環境が引き起こす主な問題点:
- 密着不良のリスク
表面に水分が残っていると、ライニング材が基材にしっかりと密着せず、剥がれや浮きの原因になります。 - 硬化不良の可能性
水分が硬化反応に干渉し、ライニング材が適切に硬化せず、所定の性能を発揮できないことがあります。 - 塗膜の膨れ・剥離
湿気や残留水分が後から蒸発することで、塗膜内部に圧力がかかり、膨れや剥離が発生する恐れがあります。 - 見た目や仕上がりの悪化
湿潤環境では表面に曇りやムラが出やすく、美観や膜厚の均一性が損なわれることがあります。 - 再施工や補修の必要性
不適切な施工状態が放置された場合、早期劣化やトラブルにより再施工が必要となるケースもあります。
RSJ#100は水中硬化性を有した無溶剤エポキシ樹脂ライニング材です。水中硬化性を利用した施工例の内容は、以下のリンクから確認ができます。
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湿潤対応型のライニング材料の選択

防蝕ライニングは基本的に乾燥した環境での施工が推奨されますが、現場では湿気や結露などで湿潤状態になることも少なくありません。こうした状況で一般的な材料を使うと、密着不良や硬化不良、塗膜の膨れなどのトラブルが起こる可能性があります。
そのため、予期せぬ湿潤環境にも対応できる「湿潤対応型ライニング材料」の選定が重要です。これらの材料は、水分があっても硬化性を維持できるよう設計されており、現場での柔軟な対応を可能にします。
湿潤環境に対応できるライニング材料を選ぶことは、予期せぬ施工環境が発生しやすい防食メンテナンス作業において、作業の効率性と成功率を高める重要な要素です。
RSJ#100の水中硬化性で可能にする施工
RSJ#100はその水中硬化性能により、湿潤環境における施工に革新をもたらすエポキシ防蝕ライニング耐食材です。他の防蝕ライニング材が湿潤条件下での硬化不良のリスクを持つ一方で、RSJ#100は湿潤状態でも確実に硬化します。

RSJ#100の水中塗布と硬化の状況を、Youtube動画で確認ができます。
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水中でも硬化するRSJ#100の応用編、RSJ#100の耐蝕パテ材や樹脂モルタルを現場で作ることで、多岐にわたる用途で使用が可能となります。
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水分の存在は一般的な防蝕塗料にとって大きな障害となることが多く、接着不良、膨れ、乾燥不良といった問題を誘発します。これに対し、弊社が推奨するRSJ#100特殊エポキシライニング工法は、これらの問題点に対応が可能となります。

RSJ#100は、湿気が高い環境や直接水に触れる状況下でもその性能を発揮するため、不測の事態が生じた際でも施工の成功率を高め、リスクを最小限に抑えることが可能です。
RSJ#100の耐薬品性と防食バリア機能

RSJ#100は無溶剤の2液性エポキシ樹脂です。水中硬化性が特徴で、幅広い薬品耐性を有し、特殊な方法により無機セラミックを大量に配合、整列させる技術で、耐摩耗性を向上させると同時に、薬液の浸透を限りなく防ぐ、防食バリア構造を塗膜内に形成します。
RSテックのフレークライニングの種類については、以下のリンクから確認ができます。
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RSJ#100エポキシライニング工法の優位性

RSJ#100の優位性と多用途性
RSJ#100は、水中や湿潤環境でも確実に硬化する特性を持ち、予期せぬ天候や現場条件の変化があっても、作業を中断することなく施工を継続できる信頼性の高いエポキシ樹脂です。この優れた性能を活かし、さまざまな工法や用途に柔軟に対応できます。
- FRP工法への展開
湿潤環境でも硬化性を維持できる特性をそのままに、ガラスマットと組み合わせることで、強度を必要とする部位にはFRP(繊維強化プラスチック)塗膜として使用可能です。 - 防蝕フレークライニング材としての使用
防食性能を高めるためにフレークを配合することで、薬品や摩耗に対する耐久性をさらに強化できます。 - パテ材としての粘度調整
粘度をコントロールすることで、凹凸や欠損部の補修用パテ材としても使用可能です。 - 樹脂モルタルとしての補修使用
骨材を混合することで、床や躯体の不陸調整・強化を目的とした樹脂モルタルとしても活用できます。
このようにRSJ#100は、1つの材料で多様な現場条件と用途に対応できるため、防蝕工事における非常に心強い選択肢となります。
RSJ#100が選ばれる理由について、詳しい内容を以下のリンクから確認ができます。
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まとめ
RSJ#100エポキシライニングは、水中で硬化する顕著な性能により、施工の柔軟性を大幅に拡張します。基礎となる下地の乾燥は不可欠な前提条件ですが、修復や保守作業では、新規施工プロジェクトと異なり、予期せぬ環境での作業が頻繁に要求されることがあります。
RSJ#100は、現場での粘度調整を可能にし、樹脂モルタルやエポキシパテの形成によって、湿潤環境下でも様々な施工が可能となります。この適応性は、特に既存の構造物のメンテナンスや緊急の補修が必要な場合に優れた解決策を提供します。
腐食から大切な設備を守る:
(株)RSテックは、防蝕ライニング専用の樹脂販売、防蝕設計、各種防蝕ライニング施工まで、一貫したサービスを提供しています。お客様のニーズに最適な防蝕対策をトータルにサポートいたします。
主なサービス内容
- 防蝕ライニング専用樹脂の販売
- 豊富な種類と実績から、最適な樹脂をご提案。ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂
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